中小から大手へ転職した筆者の話
こんにちは。
何を隠そう、私は無名寄りの中小企業から、誰もが知る上場プライム企業へ転職した人間です。
中小企業時代、今でも覚えている部長の一言があります。
「大手で平社員としてくすぶるよりも、中小でバリバリのし上がっていくほうが圧倒的に楽しいぞ」
うーーーーーーん、ノーコメント。笑
結論から言うと、人による。です。
- 「安定した看板の中で、でかい仕事がしたい」人もいれば
- 「自由度高い中小で、自分色を出したい」人もいる
どっちが正解とかないのに、
自分の価値観を他人に押しつけるのは、だいぶ雑なアドバイスだな〜と当時は思ってました。
中小→大手転職の「難易度マップ」
まず、中小企業から大手に行くのは本当に難しいのかという話。
ざっくり、「有名/無名」と「中小/大手」で分けると、こんなイメージです。
- 無名中小 → 有名大手 … 難
- 無名中小 → 無名大手 … 普通
- 無名中小 → 有名中小 … やや難
- 無名大手 → 有名大手 … やや難
- 有名中小 → 有名大手 … 普通
- 有名大手 → 有名大手 … 易
ここでいう「有名中小」は、
**大手グループ子会社クラス(従業員500人前後)**をイメージしてください。
「え、無名中小から有名大手って、結構不利なんだ…」
と思うかもしれませんが、この表は**個人のスキルや実績を一切加味していない“会社名だけの難易度”**です。
実際の選考では、
- これまでいた会社がどの程度“基礎体力のある組織”なのか
- その中でどんなポジションで何をしてきたか
をセットで見られます。
人事が見ているのは「会社名」+「スキルセット」
有名大手の人事からすると、
まずは「どこの会社にいたか」である程度の仮イメージが付きます。
有名大手出身=
・報告会もそれなりにこなしてきた
・多様なバックグラウンドの人と仕事してきた
・上長や関係者からのプレッシャーにも耐えてきた
・ある程度ロジカルに話ができる
…“はずだよね”という補正がかかるわけです。
もちろん、実際にはそうじゃない人もいます。
でも「そういう環境で鍛えられてきた可能性が高い」と見られるのは事実。
一方、無名中小出身だと、
- 組織のレベル感が読みづらい
- 報連相・資料作成・会議運営のスタイルも未知数
になるため、人事の頭の中に「?」が増えやすい状態になります。
だからこそ、
会社名での不利を、個人のスキルセットと実績でどこまでひっくり返せるか
ここが勝負どころになります。
ITエンジニアの転職なら【TechGO(テックゴー)】無名中小から有名大手を狙うためのスキルセット
では、本題。
無名中小から有名大手に行きたいなら、何を鍛えればいいのか。
結論、軸になるのはこの3つです。
- 希少価値の高い専門スキル
- 実績を数字とストーリーで語る力
- 英語・TOEICで「グローバル耐性」を見せる
順番に見ていきます。
① 希少価値の高い専門スキル
まず一つ目は、この記事でも書いていた通り、
希少価値の高いスキルを身につけて、今の会社で成果を出すこと。
転職サイトやエージェントで求人を見ると分かりますが、
- 「誰でもできる一般事務」
- 「とりあえずの営業」
よりも、
- 特定業界に詳しいエンジニア
- 特定ツールに強いデータ分析
- 特定領域に精通した生産技術・品質保証
のような、“これができる人は少ない”スキルの方が、明らかにニーズが高いです。
例:
- 電気・制御なら:PLC、シーケンス、ロボット、IoT、電源設計、安全規格
- 生産技術なら:設備導入、レイアウト設計、原価低減の実績
- IT系なら:特定言語やクラウド(AWS/Azure)、データ基盤、セキュリティ
「それっぽい経験がある」ではなく、
「この領域なら、現場でちゃんと戦力になれる」
と自信を持って言えるくらいまで掘っておくと、
エージェントも一気に動きやすくなります。
② 実績を数字とストーリーで語る力
次に大事なのが、
実績を “数字+ストーリー” で話せること。
よくあるNGパターン:
- 「品質改善を行いました」
- 「コストダウンに取り組みました」
- 「生産性向上に貢献しました」
…全部ふわっとしてて、何をしたのか全然伝わらないやつです。
OKパターンはこんな感じ👇
・不良率○% → ○%まで改善(△%改善)
・在庫回転日数を○日削減
・新設備導入で、生産能力を○%向上
・材料変更で、年間○百万円のコスト削減
さらに、
- どういう背景で
- どんな制約の中で
- 自分がどの役割を担って
- どのように周囲を巻き込んだか
まで話せると、**「この人は再現性のある成果を出せそうだ」**と見てもらえます。
③ 英語・TOEICで「グローバル耐性」を見せる
そして、**希少価値を一気に上げてくれるのが英語(TOEIC)**です。
まだまだ日本企業の多くで、
- 「TOEIC○○点以上」
- 「英語でのメール・会議に抵抗がない人」
といった要件は普通に存在します。
ここで大事なのは、
“ペラペラ”になる必要まではないということ。
- マニュアルを読める
- 海外拠点とメールのやりとりができる
- 簡単なオンライン会議ならなんとか耐えられる
このくらいの「最低限グローバルで頑張る意欲がありますよ」というサインを
TOEICスコアで見せるイメージです。
- 500点台:正直まだしんどい
- 600点台:書類選考で「おっ」と見てもらえるライン
- 700点台:技術職なら「英語もある程度できる人材」として見られ始める
「英語が来ても逃げません。やります。」
という意思表示だけでも、中小出身のハンデをかなり埋めてくれます。
転職エージェントは“事実上の一次選考”という話
多くの人が使うであろう 転職サイト・転職エージェント の話もしておきます。
大手企業は、
リクルートやパーソルキャリアなどの大手エージェントに採用の入口を丸ごと委託していることが多いです。
つまり、
エージェントが「この人は合いそう」と思わなければ、大手の人事までそもそも届かない。
ということです。
実質、エージェントが一次選考みたいなものなんですよね。
なので、
- エージェントに登録したのに、大手企業の求人を全然紹介してもらえない
という場合は、
「今の自分のスキルセット・経歴だと、大手に推薦するには弱いんだな」
と一度冷静に受け止めた方がいいです。
そのうえで、
- 「どの部分が弱くて持っていきづらいのか」
- 「どのスキルがあれば大手も狙えるか」
を、エージェントにストレートに聞いてしまうのがおすすめです。
ITエンジニアの転職なら【TechGO(テックゴー)】今いる中小企業でやるべき具体的アクション
じゃあ、結局何をすればいいのか。
最後に、明日からできるアクションをまとめます。
- 自分の専門領域を1つ決めて、徹底的に掘る
- 書籍・資格・社内プロジェクトをフル活用
- 「この分野なら、部署内トップクラス」と言えるレベルを目指す
- 今の仕事で「数字に残る成果」を1つ作る
- 不良率、コスト、生産性、リードタイムなど
- どんな小さな改善でもいいので、数字とストーリーで語れるものを作る
- TOEICをとりあえず1回ちゃんと受ける
- 現状把握のために公式テスト or IPを受験
- 400点未満なら「基礎やり直し」から(←さっきの記事につながるやつ)
- 600点超えをまずの目標にする
- 転職サイト・エージェントで「今の自分の市場価値」を確認する
- 現状でどんな求人が出てくるかを見ておく
- キャリアアドバイザーに率直なフィードバックをもらう
この4つを1〜2年続けるだけで、
「無名中小のよくいる社員」から「どの会社でも欲しい人材候補」 にだんだん近づいていきます。
まとめ:魔法はないけど、積み上げはちゃんと評価される
最後に、この記事のエッセンスを一言でまとめると、
中小企業から大手に行くための魔法はない。
でも、“会社名”のハンデはスキルと実績で十分ひっくり返せる。
ということです。
- 希少価値のある専門スキル
- 数字で語れる実績
- 英語・TOEICという「グローバル耐性」の証拠
この3つを積み上げれば、
無名中小 → 有名大手のルートは決してファンタジーではありません。
逆に、魔法で大手に滑り込めたとしても、
中に入ってから求められるレベルについていけなければ、病んでしまうだけです。
だからこそ、
魔法を探すより、
「中小にいる今の時間を、スキルと実績の仕込み期間にする」
という発想に切り替えた方が、
長い目で見て確実に得をします。
少しでも「大手に行ってみたいな」と思っているなら、
今日から1つだけでいいので、何か動いてみてください。
その一歩が、数年後の自分の選択肢を大きく変えます。



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