この記事の対象になる方
- コイルとは何かを基礎から知りたい方
- 交流回路でコイルの意味が分からなくなった方
- 生産技術、保全、設備設計で電気の基礎を学びたい方
はじめに
電気を勉強し始めると、必ずと言っていいほど出てくるのがコイルです。
ただ、突然聞くと「なにそれ?」ってなりますよね。
あー、学生時代に習った気もしなくない、、、けど知らない。みたいな・・・・
とにかく、分かりにくい部品です。
実際、調べても見た目はただの巻かれた線にしか見えません。
そのため、名前は知っていても、結局何をしている部品なのかが曖昧なままになりやすいです。
しかし実際には、コイルはリレー、ソレノイド、電磁弁、モータ、トランスなどなど、現場で使う重要な機器の根本にいる超重要部品です。
もちろん様々な身近な電気製品に使用されています。


今回は、コイルとは何かを、できるだけやさしく解説していきます。
コイルとは何か
コイルとは、導線をぐるぐる巻いた部品です。
英語ではインダクタとも呼ばれます。
たったそれだけに見えますが、導線を巻くことで、まわりにできる磁界の作用を強く使えるようになります。
ここで学生時代のおさらいですが、導線に電流を流すと磁界が生まれます。
これを「右ねじの法則」と言います。右手で覚えれますので下のイラストをご参考ください。

ということでコイルの話に戻りますが、その導線をぐるんぐるんに巻いたやつをコイルと言います。
つまりコイルは
- 導線を巻いたもの
- 電流を流すと磁界を作るもの
- その磁界の作用を利用するもの
という意味です。いわゆるこうゆうやつがコイルっていいます↓

このぐるぐる巻かれた導線に電気を流すと、強い磁界を生むことができます。
ぐるぐる巻いている理由は、導線1本よりも強い磁界を生めるからだと考えてください。
コイルは何をしている部品なのか
コイルの役割を一言で言うと、磁界を作ってモーターなどを回す部品です。
電流が流れると磁界が生まれます。
とはいえ、「磁界ってなに?」となりますよね。
ざっくりいうと、まずは磁石のようなものをイメージして考えてください。
磁石は磁力がありますよね。NとかSとか言うやつです。
つまり磁力を生むことができます。
コイルの場合は、右ねじの法則を書くと下のイラストになります。

コイルに電流を流した際に何が起こるか
ここの性質を理解して、コイルの計算で電流が遅れるんだ!と納得しましょう。
コイルに電流が流れると磁界ができますよね。
そして、その電流が変わると磁界も変わります。
磁界が変化すると何が起こるかというと、その変化に応じて電圧が生まれます。
これを電磁誘導といい、生まれる電圧を誘導起電力と言います。
コイルの場合は、自分で作った磁界の変化が自分自身に作用するので、これを自己誘導といいます。
そして、この自己誘導で生まれる電圧は、もとの変化を打ち消す向きに出ます。
つまり、
- 電流を増やそうとすると、それを妨げる
- 電流を減らそうとすると、それも妨げる
という動きをします。

「いや、よく分からないんだけど……」
そうですよね。順を追って説明すると、こうです。
- 電流流す
- 磁界生まれる
- コイルは磁界の変化が嫌いなので、打ち消す側に誘導起電力が生まれる
- 打ち消す側に誘導電流が流れる
➡結果として、電流が流れにくくなる となります。

一言でまとめると、
コイルは変化を嫌う。これがコイルの性質です。
逆に、流れている電流も急には止まりません。
スイッチを切った瞬間でも、コイルは今まで流れていた電流を何とか流し続けようとします。
このとき、コイルには大きな逆起電圧が発生することがあります。
リレーや電磁弁のコイルで、スイッチ接点が傷んだり、トランジスタ保護のためにダイオードを入れたりするのはこのためです。
つまりコイルがあると、
- 電流の立ち上がりがゆっくりになる
- 電流が急に止まらない
- 切った瞬間に高い電圧が出ることがある
という現象が起きます。
このあたりは、設計であっても現場であっても、現象として発生する場合があるので、頭の片隅に入れておいてください。
交流でコイルが重要になる理由
交流でコイルが特に重要になる理由は、交流回路で多く使われており、交流でコイルを使うからこそ身近な電化製品も使用できているからです。
交流は波があるので大きさが常に変化しています。
つまり向きが変わるということです。
したがってN極とS極が交互に変わることでモーターを動かす力になっています。
このあたりは応用になるので、別途説明していきたいと思います。
まとめ
コイルとは、導線を巻いた部品であり、電流を流すと磁界を作る部品です。
そしてその磁界の変化によって、自分自身の電流変化に逆らう性質を持っています。
そのためコイルは、
- 磁界を作る
- 電流の変化を妨げる
- 交流では電圧と電流に位相差を作る
という重要な働きをします。
また、コイルはリレー、電磁弁、モータ、トランスなど、現場の機器にも数多く使われています。
見た目は地味でも、電気の世界では主役級の部品です。
本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。


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