はじめに
この記事は下記の方々向けに書いています
- 工場・倉庫・事務所・住宅で「電気配管(電線管)」を選ぶ担当者(生技・保全・電工・設備担当・DIY含む)
- 露出配管/天井裏/屋外配管/コンクリ埋設などで、どの管を使うべきか迷っている方
- 「安いからPF/CDでいいでしょ?」で後悔したくない方
そもそも「電気配管(電線管)」は何のため?
電線管は、電線を「物理的な衝撃・紫外線・油・水・火災・ノイズ」などから守り、さらに更新や増設(通線・引き替え)をやりやすくするための部材です。
金属管は電磁遮蔽(ノイズ低減)にも効くことがあります。
電線管の種類一覧(通称・略称もセットで)
現場では、図面や会話で略称が飛び交います。まずはここを押さえると会話が速いです。
- PF管:合成樹脂製可とう電線管(ベージュ/グレー等が多い)
- CD管:合成樹脂製可とう電線管(コンクリ埋設向け、オレンジが多い)
- 薄鋼電線管=C管(ねじ付きタイプの代表。図面でC管表記が一般的)
- 厚鋼電線管=G管(屋外・衝撃・耐候性で強い側。パナソニック等がG管として整理)
- ねじなし電線管=E管(ねじ切りしない工法。薄肉で施工性が良い)
- 金属製可とう電線管(通称:プリカ等):曲げ自由度が高い“金属フレキ”枠
- VE管(硬質塩ビ):直管の樹脂管(屋内外で使うが、施工は直管寄り)
※「D管」について
現場によっては、樹脂の可とう管(PF/CDなど)をまとめて「D管」っぽく呼ぶことがありますが、メーカー表記・図面表記はPF/CDが主流です。サイズ表の文脈で「PF-D管」という言い回しも見かけます。
なのでこの記事では、誤解が出にくいよう PF / CD を基本呼称として書きます。
【重要】屋内・屋外の向き不向き(結論から)
結論を先に言うと、こう考えるのが安全です。
- 屋内(天井裏・壁内・盤内周辺):
施工性重視なら PF/堅牢さ・ノイズ・見た目なら C管(E管含む) - 屋外(直射日光・雨・衝撃あり):
基本は G管(厚鋼) or 被覆付き金属フレキ(防水・耐候タイプ)
※PF/CDは“条件付きでアリ”に留めるのが無難
この「屋外は厚鋼、屋内は薄鋼」という使い分けは、辞書系解説でも一般的として触れられています。
1mあたりの価格目安(2026年2月時点の実勢例)
価格は呼び径(16/22/28…)・メーカー・巻き/直管・送料で大きくブレます。ここでは「目線合わせ」用に、入手しやすい通販価格から“1m換算の目安”を載せます。
ざっくり比較(目安)
市場からしたざっくり目安は下記のとおり、
- CD管:約 110円/m
- PF管:約 198円/m
- 薄鋼電線管 C19: 約540円/m
- 厚鋼電線管 G16: 約961円/m
- ねじなし電線管 E19:約943円/m
- 金属フレキ(プリカ):約988円/m
これだけみるとじゃあ「PFでいいじゃん」ってなりますよね。
実際屋内だとPFを使うことが多いです。ただし、液体を扱う場所や日光がさす場所はさけましょう。
価格の考え方(超重要)
①「材料単価」だけでなく、②「施工時間」、③「将来の更新」、④「屋外劣化リスク」を足して、トータルコスト(TCO)で見ると失敗しにくいです 😊
各配管の特徴とおすすめ用途(屋内・屋外の判断つき)
PF管(合成樹脂可とう電線管) ← 屋内最強

特徴
- とにかく施工が速い(曲げがラク、狭所に強い)
- 露出・埋設ともに使われるケースが多い(仕様は製品で確認)
- 安い(ことが多い)
屋内/屋外適性
- 屋内:◎(天井裏、壁内、盤まわり、設備内配線などで強い)
- 屋外:△(条件付き)
直射日光・高温・寒暖差で劣化が早まることがあります。
筆者の意見(あなたの要望を反映)
「PFとCDは屋外で数年で劣化するため、筆者としては使用したくない」
「なぜなら5年経ってバキバキに割れて配線が出ている光景を何度も見てきたから」
「直射日光が当たらなければ良しとする。くらいがちょうどいい。」
このスタンス、現場目線としてかなりリアルです。
“屋外PF”が全部ダメというより、直射日光が当たる屋外露出で「割れ→保護喪失」になった時のダメージが大きいので、私は次の基準をおすすめします。
- 屋外でPFを使うなら:
①直射日光を避ける(庇・屋内外境界・トラフ内など)
②保護(配管カバー/ダクト/金属トラフ)を併用
③点検周期を決める(見える場所ほど)
CD管(コンクリ埋設専用の樹脂可とう管)

特徴
- コンクリ埋設向けとして扱われることが多い(オレンジ色のことが多い)
- 安い例が多い
屋内/屋外適性
- 屋内:△(主戦場は埋設)
- 屋外:×寄り(基本は埋設前提)
注意点
CD管は“コンクリ埋設で守られる前提”が強いので、
露出や屋外に持ち出す発想は基本的に相性が悪いです(紫外線・衝撃のリスク)。
薄鋼電線管(C管) ← 最も使われる

特徴
- 肉薄で扱いやすく、屋内露出配管の定番
- 図面表記で「C管」が一般的
- 金属なので、耐衝撃・耐火・ノイズ面でメリットが出やすい
屋内/屋外適性
- 屋内:◎(露出、天井、壁配管など)
- 屋外:△(腐食・耐候はG管に負ける。屋外前提ならG管が安心)
こんな時におすすめ
- 「見た目をきれいにまとめたい(工場でも事務所でも)」
- 「フォークリフトや台車が当たる可能性がある」
- 「ノイズが気になる(インバータ周り、計装配線の近傍など)」
厚鋼電線管(G管) ← 屋外と言ったらこれ!

特徴
- 肉厚で強い。屋外や衝撃のある場所の王道
- 単価は上がるが、保護性能と寿命で回収できるケースが多い
屋内/屋外適性
- 屋内:○(強すぎるけどアリ)
- 屋外:◎(特に直射日光・雨・衝撃がある場所)
こんな時におすすめ
- 屋外の露出配管で、「後で割れて配線露出」みたいな地雷を踏みたくない
- 設備の稼働率が重要で、停止コストが高いライン
- 高所・通路・搬送動線など“当たりやすい”場所
ねじなし電線管(E管)
特徴
- ねじ切りしない工法で施工性が良い(付属品で接続)
- ねじ切ってない分、安価
屋内/屋外適性
- 屋内:◎(施工性・見た目の両立がしやすい)
- 屋外:△(屋外は仕様・防食・施工条件次第。迷ったらG管)
金属製可とう電線管(プリカ/金属フレキ)

特徴
- 金属の堅牢さ+フレキシブル(曲がる)
- 障害物が多い場所、機器間の短距離、振動がある場所で強い
屋内/屋外適性(選び分け)
- 屋内:◎(制御盤〜機器、モータ端子箱周りなど)
- 屋外:○(被覆付き・防水タイプ推奨)
→ “被覆付き”なら耐候・防水の方向に寄せられます(製品仕様確認)
価格感(目安)
- 切売り例で 988円/m(プリカチューブの1m切断例)
- さらに防水・高耐油など上位仕様は上がりやすい(トータルで判断)
失敗しない選び方(チェックリスト)
最後に、現場で迷いがちなポイントを「Yes/No」で潰せる形にします。
①屋外で直射日光が当たる?
- Yes → G管 or 被覆付き金属フレキが基本(PF/CDは避ける寄り)
- No(庇・トラフ内・屋内外境界など)→ PFでも“条件付きで可”だが、点検前提で
②衝撃(台車・人・フォーク・物の落下)があり得る?
- Yes → 金属管(C/G/E)が安心
- No → 施工性でPFも選択肢
③将来、配線の引き替え・増設が多い?
- Yes → 金属管(C/G/E)か、通線性の良いルート設計(曲がりを減らす)
- No → 施工性優先のPF/CDでも成立しやすい
④ノイズが気になる(インバータ・溶接機・サーボ周り)?
- Yes → 金属管(C/G/E)を優先(配線分離とセットで効く)
- No → 樹脂管でも可
筆者おすすめの結論(迷ったらこの組み合わせ)
- 屋内(一般):C管 or E管(見た目・耐久・更新性で安定)
- 屋内(施工最優先/狭所):PF管(ただし将来更新も考えて曲げすぎない)
- 屋外(露出):G管(最も後悔しない)
- 機器まわり(振動・短距離・引き回し地獄):被覆付き金属フレキ(プリカ系)
「屋外」でのPF/CDについての筆者結論:
「直射日光が当たらないならまぁ良し」
ただし点検できない場所・止められないラインほど、最初からG管に寄せた方が結果的に安価 😊
本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程を確認のうえ判断してください。


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