【結論】三相+アースは「CV-4C」か「CVT+PE別」か?現場で迷わない選び方

電気・制御
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はじめに

古い設備の改造・更新、盤増設、ライン立ち上げで「三相+アース(PE)をどう引く?」と迷う 保全・生技・施工・機器メーカーの方向けに書きます。


この記事で分かること

  • 三相+PEで「CV-4C」と「CVT+PE別」のどちらを選ぶべきか
  • 「許容電流・放熱(4心 vs 3心+単)」と「敷設(管内/ラック/地中)」で注意すべき点
  • 現場でよく起きる「地中の崩落」「行き先不明」のリスクと、詰まないための考え方

まず結論(迷ったらこれ)

「1本でスッキリ・管理が楽」なら「CV-4C」
「太物・長距離・放熱余裕・PEサイズ最適化」なら「CVT+PE別」
ただし現場の正解は「引けるか」で決まる


そもそも「CV-4C」と「CVT」は何が違う?

よく見る王道の構成・・・・

  • 「CV-4C(4心)」:三相R/S/T+PEを「1本にまとめる」
  • 「CVT(3本より)」:R/S/Tの「三相だけをまとめる」(基本、PEは入らない)
    → 三相+PEにしたいなら「PEを別線で追加」する構成が多い

比較表「CV-4C」vs「CVT+PE別」(概要把握)

観点「CV-4C(4心1本)」「CVT+PE別(2本構成)」
施工(引き込み)小〜中sqなら楽。太物は「太い・重い・曲がらない」太物ほど有利(曲がりやすいから引きやすい)。PEと分けて敷設可
端末処理端末が1本でまとまって綺麗
分かりやすい
端末が必然と2本になる(当然ケーブルにラベル管理が重要)
コストPEが相線と同サイズになりやすくムダが出る場合ありPEを必要サイズに合わせやすい(最適化しやすい)
保全性1本なので更新時に分かりやすい誤接続・取り違え防止の管理が必要
(先のとおりラベル必須)
ノイズ/誘導さほど差は無しさほど差は無し
幹線用途◎(一本で扱いやすい)◎(長距離は敷設しやすい)

「許容電流・放熱」で見ると「4心 vs 3心」はどう変わる?(重要)

大前提:「熱のこもり方」が差を作る

「CV-4C」も「CVT」も、同じCV系(架橋ポリエチレン絶縁)なら、材料の耐熱温度そのものが大きく変わることは多くない。これはどのケーブルメーカを見ても耐熱に対し差があるわけではないことが分かる。
じゃあ、差が出るのは、次の2つという事が分かった。

  • 「発熱している導体が、同じシース内に何本まとまるか」
  • 「敷設環境で熱が逃げるか(管内・束ね・地中など)」

「同じsqでも、熱の逃げ方で許容電流の余裕は変わる」
現場で熱トラブルが出ると、結局「最初の選定」に戻ってくる

ざっくり結論「同じsqで三相ともに通電なら、3本通電のほうが有利になりやすい」

三相動力は通常、R/S/Tの3本に電流が流れます。当然ですよね。つまり「発熱の主役」は実質3本です。

  • 「CVT+PE別」:通電して発熱するのは基本「CVT側の3本」。PEは別ケーブルなのでこの場合は考慮しない
  • 「CV-4C」:同一シース内に4心がまとまり、敷設条件によっては熱がこもりやすい

このため、同じ相線sqを比較すると「CVT(3本通電)」が「CV-4C(4心一括)」より、許容電流面で有利に出やすい傾向があります。詳しくはケーブルメーカの仕様で確認しましょう。

差が出やすい条件(ここで逆転も起きる)

特に以下の条件は、放熱差が効きます。

  • 太物(電流が大きい)
  • 盤間ラックで密集(多条敷設)
  • 管内で放熱が悪い
  • 周囲温度が高い(夏場の天井裏・盤密集・熱源の近く)

「設計は合っているのに、現場が熱い」
その原因は「敷設」と「密集」であることが多い

※最終的な許容電流は、メーカー表と温度補正・集合補正で決まります。この記事では「現場で判断ミスを減らす考え方」を中心にしています。


敷設別(管内/ラック/地中)での注意点

1)配管(管内)での注意点

配管内は、とにかく「熱」と「引けるか」が支配します。

管内で起きやすいこと

  • 放熱が悪い → 許容電流が下がりやすい
  • 曲がりが多い → 太物の「4心」が通らないことがある
  • 既設配管だと「詰まり」「水」なども普通にある

「管内は、図面より現物が正しい」
引けないケーブルを選ぶと、工程が詰む

内線規程の占有率32%を守ること。

大事なのは内線規程と思っています。守れていない配管が多いですが、約7割は空けておいてほしいです。

現場対策(実務)

  • 曲がりが多い/太物なら、最初から「CVT+PE別」を検討する
  • 「CV-4C」を通すなら、端末処理スペース(盤内の曲げ半径・作業スペース)まで含めて確認する
  • 既設配管は可能なら、通線前に呼び線などで「通るかどうか」の生死判定をする

2)ケーブルラックでの注意点

ラックは引きやすい反面「密集(集合係数)」で熱が厳しくなりがちです。

ラックで起きやすいこと

  • 幹線が増えると、束ね・密集で温度上昇
  • ルートが増えて「後から来たケーブル」が追えなくなる
  • ノイズが強いルートだと、配線整理が崩れるとトラブルの温床になる

「ラックは楽。でも詰め込むほど熱と保全が難しくなる」

現場対策

  • 多条敷設なら、余裕を見たルート計画(間隔・段分け)
  • 「CVT+PE別」を採用する場合、PEは必ず「相線と同ルート・近接」で這わせる
    なぜ?①➡三相とPEが離れるとループが大きくなりノイズのもとになる。
    なぜ?②➡ノイズは一番通しやすいところに行くので意図的にPEへ流す構成のが良い
  • ラックの「どの段に何を通すか」は、更新で効くので図面と現物表示を残す

3)地中(埋設)を「できれば避けたい」理由(実体験)

ここは現場の一次情報として、あえて書きます。

「私は地中配線は、できれば避けたい派です」
理由は理屈ではなく「現場で痛い目を見た」からです

地中で起きやすいこと「ピット崩落は経年劣化が多い」

「崩落したピット」は、私の経験では「経年劣化により崩落したパターン」がほとんどでした。
特に古い建屋は「構内マンホール」と「地中配管」から設備が「ピット経由」で引き込まれている可能性があります。

「いままで同じだから」と同じルートを施工すると、
数年後に「崩落していた」という結果になる可能性がある

つまり、地中は「時間が経つほどリスクが上がる」うえに、崩落すると復旧が「配線工事」ではなく「建屋・土木」に寄って膨らみやすいのが怖いところです。

地中で起きやすいこと「行き先不明の調査が地獄」

私は実際に「行き先不明」の調査で、土日に設備を止めて「2日」かかりました。

なぜ時間がかかったかというと、調査で当たりをつけるには「怪しい上位側ブレーカーを切る」方向になりがちだからです。

「このブレーカー切ったら、あの設備が止まるんだ…」
という怖さがある

さらに歴史のある工場ほど「ルールがない時代に好き勝手配線している」ケースがあります。生産設備ならまだしも、建屋側は特に厄介です。私がそれを経験しました。

そして、行き先不明が悪化する典型がこれです。

  • 行き先不明のブレーカー二次から「抱き合わせの配線」で別系統に飛んでいる
  • 「設備名が書いてあるのに全然違う設備に使われていた」
    という「ラベル崩壊」が起きている

「地中は見えない」×「歴史が積み重なる」で迷子になりやすい
改造が多いラインほど、追跡できるルートを優先したい

それでも地中を選ぶなら最低やること

  • ルート図・配線番号・端末ラベルを「現物と一致」させて残す
  • 可能なら中間点(マンホール等)で追える設計にする
  • 改造が多いラインは、最初から「追跡できるルート」を優先する

行き先不明になった時の確認(安全第一)

危険を伴うため、ここは細かい手順には踏み込みません。実施は必ず「社内手順」「有資格者」「安全ルール」に従ってください。

「調査は最終的に、ラベルと図面が勝つ」
一度復元したら、次の人が迷子にならないように仕組みにする

現場でよくある考え方としては、電源の入り切り計画で範囲を絞り、検電で状態を確認し、両端で識別を取りながら「図面と現物」を一致させて復元していきます。


選定フロー(これで決め打ち)

  1. 三相+PEが必要
  2. 相線sqが大きい/距離が長い/曲がりが多い?
     - YES → 「CVT+PE別」寄り(施工性・放熱で有利になりやすい)
     - NO → 3へ
  3. 1本でまとめたい?(施工性・見た目・管理)
     - YES → 「CV-4C」
     - NO → 「CVT+PE別」
  4. 敷設が地中で、将来改造が多い?
     - YES → 可能なら「追跡できるルート(ラック・配管)」を優先し、地中は慎重に判断する

まとめ

「CV-4C」は「1本で管理が楽」という正義
「CVT+PE別」は「太物・放熱・最適化に強い」という正義
現場の最優先は「引ける」「保全できる」「次の改造で詰まない」


本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。

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