みなさんはケーブルの選定で迷った経験ありませんか??
またはメーカさん、協力会社さんにお任せ~になっていませんか??
選定をする手順は次の2ステップを踏めば選定することができます。
1.ケーブルに接続する負荷の容量からスケアサイズを決める
2.ケーブルを配線する場所の環境から種類を決める
その前にケーブル選定の際に大事な点を伝えておきます。
まずケーブルは選定を誤れば火災につながるという事を覚えておいてください。
ケーブルには流すことのできる電流値が決まっております。
つまりそれを超える電流値がケーブルに流れ続けた場合、
ケーブルは燃えます。
そのため、接続先の負荷から余裕を持ったケーブルを選定していきましょう。
1.ケーブルに接続する負荷の容量からスケアサイズを決める
まず「負荷って何?」という方の為に負荷を説明しておきます。
負荷とはモーター、照明、ドライヤー、電子レンジのように電気を使用して動かす機器全般を言います。
一方でスイッチ類は電気を入/切する役目しかない為、一般的に負荷とは言いません。
次に負荷の容量からスケアサイズ(太さ)の決め方についてです。
まず負荷容量について調べると様々な記号W(ワット)、VA(ブイエー)、A(アンペア)
が出てくると思います。
この場合は負荷電流(A)または最大運転電流(A)の記載があれば、そちらを目安に負荷容量を決めます。
※W(ワット)、VA(ブイエー)についても例にて説明します。
例1)負荷電流または最大運転電流の記載があった場合
例えば15Aの記載があった場合、それを補える容量のケーブルを選定する必要があるため、だいたい1.5倍を
補えるサイズを選定しています。※理由はぎりぎりを選定してしまうとケーブルは熱を持つからです。
15A × 1.5 = 22.5A
よって22.5Aを補えるケーブルスケアで選定する必要があるということです。
次にケーブルメーカのケーブル仕様を確認し、例えばCV-2sqに許容電流に23A以上の記載があれば、
CV-2sqを配線敷設すればよいという事です。
例2)容量W(ワット)の記載があった場合
負荷電流や運転電流の記載はなく、例えば1.5kw等の記載があった場合は次のように計算しています。
電圧が家庭用の単相AC100Vの場合。
1.5kw=1500wのため、公式「容量(W)=電圧(V)×電流(A)×力率・効率」より
1500(W)=100(V)×電流×0.8 ※力率・効率はほぼ記載がないため、仮に0.8で設定します。
電流=18.75A となり、18.75Aを補えるケーブルを選定する流れになります。
おそらくこの場合もCV-2sq等になるのではないでしょうか。
例3)容量VA(ブイエー)があった場合
こちらの場合も仮に1.5kVAの記載があった場合とすると、
公式「容量VA=電圧V×電流A」より
1500VA=100V×電流A
電流=15A となり、15Aを補えるケーブルを選定しましょう。
じゃあ上記すべての記載があった場合はどうするの??となりますが、
一番確実なのは使用する負荷のメーカさんに聞くことです。
それでも自力で選定したい場合、すべてを加味した上で補える容量を選定しましょう。
大は小を兼ねる!ではないですが、心配であれば1サイズ大きいスケアサイズにしておくことです。
またケーブルの許容電流値はメーカさんによって誤差があるため、
各メーカのサイトから表を見て選定しましょう。
次に使用する環境は用途に合わせてよく使用するケーブルを表にしましたので
参考にしてみてください。
2.よく使うケーブルをまとめてみました
低圧回路の基本設計をする上で最低限以下のケーブルを押さえておくと見積精査をしやすいと思います。
種類 | 名称 | 絶縁体 | シース | 規格 | 用途 | 価格目安 | 備考 |
CV | 架橋ポリエチレンビニルケーブル | 架橋ポリエチレン | ビニル | 低圧 高圧 | 電力 屋外可 | 340円/m ※22sq-8C | 2sq~選べる |
CVT(3C) | トリプレックス架橋ポリエチレンビニルケーブル (単心3本よりあわせ) | 架橋ポリエチレン | ビニル | 低圧 高圧 | 電力 屋外可 | 350円/m ※22sq-8C | CVに比べ①軽量②同サイズでも許容電流量が大きい③曲げやすい ※14sq~のみ |
CVV | 制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル C:Control-useの意 CVVS:シールド付き | ビニル | ビニル | 低圧 屋内 | 制御用 | 200円/m ※1.25sq-8c | ※CVT,CVと関係性なし |
VCT | ビニルキャブタイヤケーブル | ビニル | ビニル | 低圧 AC600v DC750v | FA機器 移動用 | 282円/m ※1.25sq-8c | 柔軟性・耐水性・難燃性あり、移動用 低圧のみ使用可 VCTFより被覆が厚い |
VCTーF | ビニルキャブタイヤコード | ビニル | ビニル | AC300v以下 | FA機器 移動用 | 212円/m ※1.25sq-8c | 耐燃性あり VCTより被覆が薄い |
VVF | ビニル絶縁ビニルシースケーブル 三文字目=F:平型 R:丸形 | ビニル | ビニル | 低圧 AC600以下 30A程度 | 照明・コンセント 一般家庭 | 150円/m ※2.0sq-3c | 直射日光・耐久性に弱い |
IV | indoor PVC K:柔軟性 I:絶縁電線 V:ビニル電線 | ビニル | ― | 低圧 | 屋内 | 17円/m ※1.25sq-単芯 | バラ線 |
上の表を見て 「・・・で結局どう違うの?」 ってなりますよね。
CVケーブル CV 8sq×3芯 (8mm 3c) 電線 住電日立電線 フジクラ 1mから切断OK 即日発送します cv8x3 価格:896円 (2024/9/2 01:11時点) 感想(0件) ![]() | CVT14SQ 600Vトリプレックスケーブル 単心3コより電力ケーブル 切売 10m以上1m単位 ※フジクラもしくはHSTにて出荷価格:1257円 (2024/9/2 01:09時点) 感想(0件) |
次に各ケーブルの比較についてです。
3.比較結果を簡単に
大まかな違いだけを抑えたい方は以下をご参考いただければ、イメージしやすいのではないでしょうか。
1)CVとCVTの比較
これは施工のしやすさと判断しています。
CVTの方がより合わせてある為、施工がしやすいです。
ただしCVTは14sq以上になる為、14sq未満はCVにする必要があります。
また移動しない場所、制御盤の一次側等の電源に使用される事が多いと感じています。
2)CVVについて
CVとCVTに名前が似ていますが、表の通り全く用途が違いますのでご注意ください。
3)VCTとVCT-Fについて
低圧AC600v以下で使用する場合はVCT。
AC300v以下で使用する場合はVCTより価格の安いVCT-Fと言った感じです。
移動用に使用される事が多いです。
4)CV,CVTとVCT,VCT-F
制御盤、分電盤の電源であればCV,CVT、
モータ等の配線であればVCT,VCT-F。
5)VVF
FA機器では無く、照明・コンセント向けの回路に使用されます。
他にも色々な種類のケーブルがありますので、
自分なりにまとめてみると分かりやすいかもしれません(^^)