第三種・第二種電気主任技術者は稼げる資格か?合格率と年収を比較

電気・制御
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この記事でわかること
  • 第三種電気主任技術者の合格率推移
  • 第二種電気主任技術者の一次試験、二次試験の合格率推移
  • 第三種と第二種の年収差、稼げる資格なのか

この記事の対象になる方

  • 電験三種、電験二種の取得を検討している人
  • 電気主任技術者の年収相場を知りたい人
  • 電気系資格でキャリアアップを考えている人

はじめに

電気系資格の中で、最も知名度が高い資格と言えば「電気工事士二種」かもしれませんが、
最も需要の高い資格はどれかと言われると、「第三種電気主任技術者」と「第二種電気主任技術者」です。

いわゆる「電験三種」「電験二種」と呼ばれる資格ですね。

電気設備を扱う仕事をしていると、かなりの確率で一度は耳にする資格です。
設備保全、ビル管理、工場インフラ、発電所、受変電設備など、電気を使う現場ではかなり存在感のある資格と言えます。

どのくらい存在感があるかと言うと、、、、例えば、工場で電気設備の運用や管理で困ったことがあったとします。

「この件、電気主任技術者は何と言ってますか?」

と、常に意見を求められるくらいです。
つまり、電気の神と崇められるような存在です!!

おおげさに聞こえるかもしれませんが、一種を取った人はよく陰で「神」と言われていたりします。

一方で、気になるのはここです。

果たして電気主任技術者の資格を取ると、本当に稼げるのか…。

資格勉強には、時間も体力も使います。
特に電験は、ちょっと勉強しただけで受かるタイプの資格ではありません。

理論、電力、機械、法規と範囲も広く、数学や電気回路が苦手な人にとっては、なかなか手強い相手です。

そこでこの記事では、第三種電気主任技術者と第二種電気主任技術者について、
みなさんのモチベや有益な情報となるよう、合格率の推移と求人情報から見た年収を比較していきます。

電気主任技術者とは

電気主任技術者とは、事業用電気工作物の保安監督を行うための国家資格です。

簡単に言うと、工場やビル、発電所などの電気設備を安全に使うために、電気設備の保安を管理する人です。

一定規模以上の電気設備では、必ず電気主任技術者の選任が必要であることが法律で決まっています。
※参考:電気事業法第43条

事業用電気工作物とは、その名の通り、事業で使う電気工作物のことです。
例えば、大型ビル、テーマパーク、アウトレット施設、大型モール、工場などが該当します。

また、電気主任技術者には第一種・第二種・第三種があり、扱える電圧の範囲によって種類が分かれています。

第三種電気主任技術者とは

第三種電気主任技術者は、電圧が5万V未満の事業用電気工作物を扱える資格です。
(出力5,000kW以上の発電所は除く)

電験三種は、電気主任技術者資格の入り口として最も有名です。

とはいえ、入り口と聞いて簡単な資格だと思うかもしれませんが、初学者向けの知識だけで合格できる資格ではありません。
理論、電力、機械、法規の4科目があり、どれもそれなりに重い問題が出題されます。

特に理論は、電気回路、電子回路、電磁気に関する定理が複数出てくるため、電気を専門にしていない人にとっては最初の壁となるでしょう。

気になる勉強時間は?

初学者(または文系):約1000h
電気系の設計職や保安・管理の従事者(または理系):約500h

と言われています。

第三種電気主任技術者の合格率推移

ここでは、第三種電気主任技術者の合格率の推移をグラフで見ていきましょう。

引用元:電気技術者試験センター

合格率は、年度によって差があります。

特に近年は、試験制度の変更や受験機会の増加もあり、昔と単純比較しにくい部分もありますが、全体的にみて12%程度の合格率といったところでしょう。

また、電験三種には科目合格制度があります。
4科目を一度に合格できなくても、合格した科目を持ち越すことができます。

社会人では4科目を一発で合格しようとすると負荷が大きいですが、科目合格制度を使えば、数年計画で十分合格を狙うことができます。

第二種電気主任技術者とは

第二種電気主任技術者は、電験三種よりも上位の資格です。

第二種を取得すると、電圧が17万V未満の事業用電気工作物を扱うことができます。

第三種よりも扱える設備規模が大きくなるため、工場の大規模受変電設備、特別高圧設備、発電所、インフラ系設備などで重宝&評価される資格です。

ただし、試験の難易度はかなり上がります。

電験三種は4科目の筆記試験のみですが、電験二種は一次試験と二次試験があります。

一次試験は、理論、電力、機械、法規の4科目筆記試験。
ここまでは電験三種と似ています。

しかし、本番は二次試験です。

二次試験では、「電力・管理」、「機械・制御」の2科目構成で記述式問題が出題されます。
計算だけでなく、考え方や説明力も求められます。

電験二種は、知識を覚える資格ではなく、電気の知識を使って説明できるかを試される資格になります

第二種電気主任技術者の一次試験合格率推移

さて、気になる第二種電気主任技術者の一次試験合格率の推移を確認していきましょう。

引用元:電気技術者試験センター

一次試験は、電験三種と同じく4科目構成です。

ただし、電験二種の一次試験は、三種よりも深い理解が求められます。
三種で学んだ内容を土台にしながら、より実務寄り、より応用寄りの内容に進んでいくイメージです。

単にグラフだけを見ると、第三種より合格率が高く見えるかもしれません。
しかし、受験者の多くは「第三種レベルの知識を持った猛者たち」だということを認識しておきましょう。

電験三種に合格している人でも、何も対策せずに二種一次試験を突破できるほど、甘い試験ではありません。

特に理論や機械は、計算問題のレベルが上がるため、基礎を理解していないと突破は不可能なレベルです。

第二種電気主任技術者の二次試験合格率推移

次に、第二種電気主任技術者の二次試験合格率の推移です。

引用元:電気技術者試験センター

電験二種の難しさは、二次試験にもあります。

一次試験は知識問題が中心ですが、二次試験は記述式です。
計算過程を書き、考え方を示し、問題に対して論理的に答える必要があります。

電験三種までは、選択肢から正解を選ぶ力も重要でした。
しかし電験二種の二次試験では、自分で答えを組み立てる力が必要になります。

電験二種の二次試験は、暗記型と理解型の勉強の両方ができていることが重要です。

第三種と第二種は稼げる資格なのか

皆さん、ここが一番気になるんじゃないでしょうか。

まず結論ですが、「稼げます」
難関資格かつ需要もあります。

資格を取る目的は人それぞれですよね。

転職したい人もいれば、社内評価を上げたい人もいます。
資格手当が目的の人もいれば、将来的に独立や外部委託の仕事を考えている人もいるでしょう。

ただ、共通して気になるのは年収です。
せっかく難しい資格を取るなら、収入に反映されてほしいところです。

求人情報をもとにした年収比較

求人ボックスの求人情報をもとに、第三種電気主任技術者と第二種電気主任技術者の年収を比較すると、以下のようになります。

区分概算中央値概算最大値備考
第三種電気主任技術者約400万〜450万円約1,200万円求人によってかなり幅あり
第二種電気主任技術者約550万〜600万円約1,200万円中央値では二種がかなり高め

引用元:求人ボックス

この結果を見ると、概算中央値では第二種電気主任技術者の方が高めです。

第三種は求人件数が多く、設備管理、ビルメンテナンス、工場保全、未経験可の求人なども含まれやすいため、年収レンジに幅があります。

一方で、第二種は大規模設備の特別高圧設備、発電所、エネルギー関連など、より専門性の高い求人に結びつきやすく、そのため、中央値で見ると第二種の方が高く提示されています。

最大値を見ると、第三種、第二種ともに約1,200万円クラスの求人が見られます。

これは、資格単体での提示年収ではなく、実務経験、マネジメント経験、選任経験があり、勤務先の業界が重なることで提示される金額ということは認識しておきましょう。

電気主任技術者の年収は、資格そのものよりも、資格をどの会社でどう使うかで決まります。

筆者目線での意見

筆者目線で言うと、電気主任技術者の資格を取って稼げるかどうかは、所属企業次第です。

TOPIX100に入るような大手企業やコンサル業であれば、電気主任技術者だから特別に給料が高いというより、通常の技術職と同様の給与ベースになることが多いです。

目安としては、以下のようなイメージです。

年代大手技術職の年収目安
20代400万〜600万円
30代700万〜900万円台
40代以降1000万円〜役職次第

もちろん、出世ペースや残業時間、勤務地、会社の給与制度によってばらつきはあります。
上記は外資を含んでいませんが、外資を含めれば、より早い年次で高年収を狙える可能もあります。

第三種、第二種電気主任技術者が、外資コンサルへ転職したケースも身近で見たことがあります。

それだけ需要のある資格という事です!

電験三種と電験二種はどちらを目指すべきか

まずは第三種電気主任技術者を目指すのが現実的です。

電気系の基礎を固める意味でも、転職や社内評価の面でも、第三種は非常にバランスが良い資格です。

第三種を取得したあと、さらに大規模設備や高年収求人を狙いたい場合は、第二種を目指すというストーリーを描いていきましょう。

ただし、無理に第二種まで進まなくても、第三種と実務経験を組み合わせれば、かなり強いキャリアになります。

筆者としては、「第三種+英語」という組み合わせは転職市場でおすすめです。

まとめ

第三種電気主任技術者と第二種電気主任技術者は、需要の面でも年収の面でも、非常に強い資格です。

ただし、資格を取れば自動的に稼げる資格ではありません。

重要なのは、どの会社で、どのような経験を積むかです。

第三種は電気系キャリアの入口として強く、第二種は専門性と希少性でキャリアの上限を広げる資格です。

電気主任技術者は、勉強量も多く、簡単な資格ではありません。

それでも、電気設備に関わる仕事を続けるなら、取得しておいて損はない資格です。
むしろ、長い目で見ると、キャリアの選択肢を増やしてくれる心強い資格といえるでしょう。


本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。

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