この記事の対象になる方
- 製造業に興味はあるが、実際にどんな仕事があるのかよく分からないという方
- 製造、保全、生産技術、品質保証、生産管理の違いをざっくり知りたい方
- 未経験から製造業を目指し、製造業の職種選びで迷っている方
はじめに
どうも、末端エンジニアのにこらです。
今回は、「製造業とは何か?」について解説していきたいと思います。
製造業と聞くと、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか。
工場でライン作業をしているイメージでしょうか。
それとも、自動車を組み立てたり、食品などを作っているイメージでしょうか。
もちろん、どれも正解です。
ただ、実際に製造業の中で働いてみると、製造業=ただ物を作る仕事、というわけではありません。
工場の中には、実際に製品を作る人、製品を作る設備を直す人、生産ラインの仕組みを考える人、製品の品質を見る人、生産計画を組む人など、さまざまな仕事があります。
外から見ると、「工場=ライン作業」という固定観念があるかもしれませんが、そうではないんですよね。

私自身、製造業の中で生産技術の仕事をしてきましたが、正直、外から見る製造業と中から見る製造業はかなり違うと感じています。
最近では、AI、IoT、ロボット、自動化、データ活用なども進んでおり、製造業といっても昔ながらの作業だけではなくなってきています。
というわけで、前置きが長くなりましたが、今回は、
「製造業とは何か」
そして、
「製造、保全、生産技術、品質保証、生産管理は何が違うのか」
このあたりを、できるだけ現場目線でわかりやすく解説していきたいと思います!
それでは行ってみましょう!!
製造業の基本
製造業とは、簡単に言えば「ものを作る仕事」です。
もう少し正確に言うと、材料や部品を加工・組立・調整し、新しい製品を作る産業のことを指します。

例えば、以下のようなものが製造業に含まれます。
- 自動車
- 食品
- 医薬品
- 半導体
- 電子部品
- 電気機器
- 産業機械
- ロボット
- 化学製品
- 樹脂製品
- 金属部品
- 日用品
こう見ると、かなり幅広いですよね。
要するに、私たちが使う多くの物を生産しているのが「製造業」です。
つまり、製造業と一言で言っても、扱う製品によって仕事内容はかなり変わります。
ただし、共通しているのは「材料や部品に手を加えて、価値のある製品にする」という点です。
設備を動かす。
材料を加工する。
部品を組み立てる。
製品を検査する。
納期通りに出荷する。
こういった流れを通して、世の中に製品を届けるのが製造業です。
工場の中でどんな仕事があるか
製造業の中には、いろいろな仕事があります。
ここを知らないまま製造業に入ってしまうと、配属された後に「あれ?思っていた仕事と違う」となりやすいです。

この記事では、代表的な職種である「製造」「保全」「生産技術」「品質保証」「生産管理」について、それぞれの違いをざっくり紹介していきたいと思います。
製造
製造は、実際に製品を作る仕事です。

工場の中でも、一番イメージしやすい仕事だと思います。
例えば、部品を組み立てたり、機械を操作したり、材料を投入したり、完成品を検査したりします。
製造の仕事では、決められた手順通りに作業することが大切です。
工場では、安全、品質、納期がとても重要です。
そのため、作業標準を守ること、異常に気づくこと、分からないまま作業を進めないことが求められます。
製造の仕事は、単純作業に見えることもあります。
しかし実際には、製品の状態、材料の違い、ちょっとした異常などに気づく力が必要です。
また、作業だけをしていればいいわけではありません。
いかに製品を安定して製造できるか、基準書や標準書の作成、なぜ品質不具合や人的ミスが発生してしまうのかを分析する力も求められます。
製造は、工場の中でもっとも製品に近い仕事です。
そのため、現場を知るうえでは非常に重要なポジションとなります。
保全、または工務
保全は、工場の設備を止めないように点検、修理、改善を行う仕事です。

会社によっては、工務、設備保全、設備管理と呼ばれることもあります。
保全の仕事を簡単に言うと、設備のお医者さんのような仕事です。
工場の設備は、毎日動き続けています。
モーター、センサー、シリンダ、コンベア、ポンプなど、さまざまな機器が使われています。
当然ですが、設備はいつか壊れます。
設備でトラブルが起きたときに、原因を調査し、点検・復旧を行うのが保全の仕事です。
一般的に「電気(制御)」と「機械」に分かれています。
ラインが止まると、当然ながら製品が作れません。
製品が作れないと、納期にも影響します。
そのため、保全は工場の稼働を守る重要な仕事です。

個人的には、製造業の中でもかなり技術力が身につく、おすすめな職種だと感じています。
生産技術
生産技術は、製品を効率よく、安定して作るための仕組みを考える仕事です。

製造が「実際に作る仕事」だとすると、生産技術は「どうやって作るかを考える仕事」です。
例えば、以下のような仕事があります。
- 新しい設備を導入する
- 生産ラインを立ち上げる
- 治具や工具を考える
- 作業工程を改善する
- 人の作業をロボットで自動化する
- 画像検査を導入する
- 品質向上のためにデータを分析する
- 作業時間を短くする
生産技術は、製造現場と設計部門の間に立つことも多いです。
設計が考えた製品を、実際の工場でどう作るか。
作りにくい部分はないか。
品質は安定するか。
設備で自動化できるか。
コストは合うか。
こういったことを考えるのが生産技術です。
生産技術の仕事はかなり幅が広く、さまざまな知識がつきやすいです。
会社によっては、設備設計寄りの生産技術もありますし、工程改善寄りの生産技術もあります。
電気制御に関わる人もいれば、機械設計をする人もいます。
データ分析やシステム寄りの仕事をする人もいます。
そのため、生産技術と一言で言っても、会社によって仕事内容がかなり違います。
ただ共通しているのは、「現場をよくして、安定して製品を作れるようにする仕事」ということです。
筆者としては、生産技術は「社内のコンサル」のような仕事だと考えています。
品質保証
品質保証は、製品が決められた品質を満たしているかを確認し、お客様に安心して使ってもらえる状態を保証する仕事です。

品質保証は、現場では「品証」と呼ばれることもあります。
また、似た言葉に「品質管理」があります。
ざっくり言うと、品質管理は「不良を出さないように工程を管理する仕事」、品質保証は「お客様に対して品質を保証する仕事」です。
ただし、実際の会社では品質管理と品質保証の仕事が分かれていたり、一緒になっていたりします。
品証の仕事には、以下のようなものがあります。
- 検査基準を作る
- 不良品を解析する
- クレーム対応をする
- 顧客監査に対応する
- 工程監査をする
- 品質データを分析する
- 再発防止策を考える
- ISOなどの規格対応をする
製造業では、どれだけたくさん製品を作れても、不良が多ければ意味がありません。
むしろ、不良品を流出させてしまうと、設備停止や重大なトラブルにつながることもあります。
不良が出たときには、原因を調べ、対策を考え、お客様に説明する必要があります。
そのため、現場、設計、生産技術、営業など、さまざまな部署との調整も必要です。
その分、工程や関係部署を横断して見る機会が多く、「どうすれば品質を安定させられるか」を広い視点で学べる仕事です。
生産管理
生産管理は、必要な製品を、必要な数量、必要なタイミングで作れるように管理する仕事です。

製造業では、作りたいときに好きなだけ作ればよいわけではありません。
それではビジネスとして成り立ちませんよね。
いつ、何を、どれだけ作るかを考える必要があります。
この全体の流れを管理するのが生産管理です。
生産管理の仕事には、以下のようなものがあります。
- 生産計画を作る
- 材料や部品の手配状況を確認する
- 納期を管理する
- 在庫を確認する
- 製造現場の進捗を確認する
- 営業や購買と調整する
- 出荷予定を管理する
生産管理は、工場全体の流れを見る仕事です。
いかに効率よく生産し、利益を出すかは生産管理にかかっています。
個人的には、生産管理は「工場の交通整理役」に近い仕事だと思っています。
どれだけ製造現場が優秀でも、生産計画がズレると現場は混乱します。
材料がない。
設備が空いていない。
納期が間に合わない。
在庫が多すぎる。
こういった問題を防ぐために、生産管理は重要な役割を持っています。
一般的な年収と職種別に必要な学歴
ここでは、製造業の代表的な職種について、一般的な年収と必要な学歴の目安を紹介します。
ただし、年収は会社規模、年齢、業界、地域、残業、交替勤務、役職、資格の有無によってかなり変わります。
そのため、ここで紹介する年収はあくまで目安であり、筆者がさまざまな製造業で働く方たちから聞いてきたリアルな数字も踏まえたものです。
※残業代を含んだ金額です。
| 職種 | 年収の目安(30代) ★:有名大手 | 必要な学歴の目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 製造 | 約550万〜600万円 ★約600万~800万円 | 高卒以上 | 夜勤含む年収を概算。 課長クラス手前で総合職へ転換する企業もある。 |
| 保全、工務 | 約600万円~750万円 ★約600万~800万円 | 高校(工業)、専門卒以上 | 部署内でもトラブル対応Grや計画保全Gr等に分かれ、大学院卒まで均等に存在する。 |
| 生産技術 | 約600万円~700万円 ★約750万円~1000万円 | 高専卒以上 ※大卒、大学院卒が多め | 基本的には理工学部を卒業した大卒以上の人員で構成される。まれに製造の優秀層が転換し配属。 |
| 品証 | 約600万円~700万円 ★約600万~800万円 | 高卒以上 | 現場の品証または、本部側の品証に分かれている。本部側は大卒以上が多い。 |
| 生産管理 | 約550万〜600万円 ★約600万~800万円 | 高卒以上 | 現場の生産管理または、本部側の生産管理に分かれている。本部側は大卒以上が多い。 |
| 製品開発 | 約600万円~750万円 ★約750万円~1000万円 | 大卒以上 ※大学院卒が多め | 基本的には理工学部を卒業した大卒以上の人員で構成される。大学院卒以上の割合が圧倒的に多い。 |
年収については、30代が最も振れ幅が大きいと感じています。
出世の早い人であれば、30代序盤で管理職というケースも大手では存在するからです。
製造業では、第一線の製造現場を知っている方たちが重宝されます。
製造から、保全、生産技術、品質保証、生産管理へキャリアチェンジするケースもありますので、ぜひ自身に合う職種を探してみてください。
まとめ
今回は、製造業とは何か、そして製造・保全・生産技術などの違いについて解説しました。
製造業は、単なるライン作業だけではありません。
機械、電気、制御、品質管理、生産管理、データ活用など、さまざまな技術が関わる奥の深い業界です。
未経験から製造業を目指す場合は、まず製造現場の流れを知ることが大切です。
そのうえで、保全、生産技術、品質保証、生産管理など、自分に合った職種を考えていくのも良いと思います。
さまざまな技術を学ぶことができ、市場価値の高いスキルを伸ばしていけるのが製造業です。

皆さんもぜひ、日本の「ものづくり」を支えていく製造業に飛び込んでみてください!!
本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。


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