この記事の対象になる方
- CVとCVTの違いをざっくり整理したい方
- 許容電流を早見表ですぐ確認したい方
- 生技、保全、設計・施工会社で電源ケーブル選定の基礎を学びたい方
はじめに
電源ケーブルを選ぶとき、よく出てくるのがCVケーブルとCVTケーブルです。
ただ、この2つは名前が似ているうえに、どちらも電力用ケーブルとして普通に出てくるので、最初はかなり混乱しやすいと思います。
おそらく皆さんが抱くのは
CVとCVTって何が違うの?
どっちのほうが許容電流が大きいの?
三相回路ならどっちを選べばいいの?
という疑問でしょう。
まずは
CVは何か
CVTは何か
なぜ許容電流の見え方が変わるのか
このあたりを整理するだけでもかなり見通しがよくなります。

この記事では、CVケーブルとCVTケーブルの違いを、できるだけ分かりやすく整理したうえで、許容電流早見表の見方までつなげていきたいと思います。
CVケーブルとは

上の絵のように、CVケーブルは、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルのことです。
電力用ケーブルとしてかなり一般的で、低圧配線でもよく使われます。
大まかにCVケーブルの用途は
- 1心ごとに使う
- 2心、3心、4心など複数心で使う ※上の絵は3心です
- 電源回路で広く使う
というイメージを持つと分かりやすいです。
とくに複数心ケーブルとして見ると、1本の中に複数の導体が入っているので、配線がまとまりやすいという見方もできます。
CVケーブルは、次のような電源回路で候補になりやすいです。
つまりCVは、
一般的な電力用ケーブルとして幅広く使いやすい基本仕様
ということです。
CVTケーブルとは

上の絵のように、CVTケーブルは、3本の単心ケーブルをより合わせた構造の電力用ケーブルです。
ざっくり言うと、三相電源用として敷設しやすいように作られたケーブルです。
CVTの用途としては、
- 三相3線の電源回路で使いやすい
- より合わせ構造なので曲げやすく、敷設しやすい
という点があります。
ここで大事なのは、CVTは基本的に3本の相線を1つにまとめたものだということです。
そのため、PE線をどうするかは別で考えるということです。
つまりCVTは、
三相電源をまとめて扱いたいときに使いやすいケーブル
というイメージになります。
CVとCVTの違いをざっくり整理
CVとCVTの違いをざっくり言うと、まず大きいのは構造です。
CV:単心、2心、3心、4心のように一本にまとまっている
CVT:単心×3本をより合わせた一本
ここで重要なのは、許容電流の見え方もこの構造差の影響を受けやすいことです。
たとえば三相+PEを考えるとき、CV-4Cなら4本が同じケーブルの中に入ります。
一方CVTなら、基本の3相分は3本でまとまり、PEは別線で考えるケースが出てきます。
すると、発熱の仕方や放熱条件の見え方が変わりますよね。
つまり、
CVとCVTの違いは名前だけではなく、構造の違いが許容電流や選定の考え方に影響する
ということです。
こちらは前回の記事でも紹介しているので、そちらをご覧ください↓
CV・CVTケーブルの許容電流早見表
実際の許容電流はメーカー、構造、布設条件、周囲温度で異なるため、採用時は必ず最新のメーカー資料を確認、またはメーカーへ問い合わせしましょう。
CVの早見表
| CV | 2 sq | 3.5 sq | 5.5 sq | 8 sq | 14 sq | 22 sq | 38 sq | 60 sq | 100 sq | 150 sq | 200 sq | 250 sq | 325 sq | 400 sq | 500 sq | 600 sq |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 単心 | 31 A | 44 A | 58 A | 72 A | 100 A | 130 A | 190 A | 255 A | 355 A | 455 A | 545 A | 620 A | 725 A | 815 A | 920 A | 1005 A |
| 2心 | 28 A | 39 A | 52 A | 65 A | 91 A | 120 A | 170 A | 225 A | 310 A | 400 A | 485 A | 560 A | 660 A | – | – | – |
| 3心 | 23 A | 33 A | 44 A | 54 A | 76 A | 100 A | 140 A | 190 A | 260 A | 340 A | 410 A | 470 A | 555 A | – | – | – |
| 4心 | 23 A | 33 A | 44 A | 54 A | 76 A | 100 A | 140 A | 190 A | 260 A | 340 A | – | – | – | – | – | – |
CVTの早見表
ここでは、他のより合わせ数も紹介します。
CVD:ダブル=単心×2本のより合わせ
CVT:トリプル=単心×3本のより合わせ
CVQ:クワトロ=単心×4本のより合わせ
| CV* | 8 sq | 14 sq | 22 sq | 38 sq | 60 sq | 100 sq | 150 sq | 200 sq | 250 sq | 325 sq | 400 sq | 500 sq |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| CVD | 66 A | 91 A | 120 A | 165 A | 225 A | 310 A | 400 A | 490 A | 565 A | 670 A | 765 A | 880 A |
| CVT | 62 A | 86 A | 110 A | 155 A | 210 A | 290 A | 380 A | 465 A | 535 A | 635 A | 725 A | 835 A |
| CVQ | – | 86 A | 110 A | 155 A | 210 A | 290 A | 380 A | 465 A | 535 A | 635 A | 725 A | 835 A |
ここで注意したいのは、この表はあくまで目安をつかむための入口だということです。
実際の許容電流は、
- 周囲温度 ※上表は周囲環境40℃を前提
- 布設条件
- ケーブルの種類
- 何本並べるか
- 地中か空中か
- ダクト内かどうか
などで変わります。
そのため、早見表だけで最終決定するのではなく、まずは
このサイズ感ならこれくらいになりそう
という感覚をつかむために使用しましょう。
許容電流を見るときの注意点
許容電流は、ケーブルサイズの数字だけで判断したくなります。
ですが実際は、使い方でかなり変わります。

特に注意したいのは、次の点です。
周囲温度
周囲温度が高いほど、ケーブルは熱を逃がしにくくなります。
そのため、許容電流は厳しく見たほうがよいことがあります。
布設条件
空中布設なのか、管路なのか、地中なのかで放熱条件が変わります。
同じsqでも、布設条件が違えば使える電流は変わります。
何本並べるか
ケーブルを複数本並べると、お互いの熱の影響を受けます。
そのため、単独布設より不利になることがあります。
詳しい選定手順はこちら
この記事では、CVとCVTの違い、許容電流の入口を整理しました。
ただし、実際の現場でどちらを採用するかは、
- 三相+PEをどう引くか
- 布設条件
- 放熱
- 施工性
- 保守性
まで含めて考える必要があります。
そのため、ケーブル選定を詳しく知りたい方は、下記の関連記事もあわせて確認してみてください。
まとめ
CVケーブルとCVTケーブルは、どちらも電力用ケーブルですが、構造と使い方の考え方が少し違います。
CVは、幅広い電源配線で使いやすい基本的なケーブルです。
一方CVTは、三相3線を意識した構造で、三相回路ではかなり使いやすいケーブルです。
今回のポイントを整理すると、次の通りです。
- CVは一般的な電力用ケーブルとして幅広く使われる
- CVTは三相3線向けとして見やすい
- 構造の違いが許容電流や配線の考え方に影響する
- 許容電流は早見表だけでなく、布設条件まで見て判断する
- 三相+PEではCV-4CとCVT+PE別で考え方が変わる
つまり、CVとCVTの違いは単なる名前の違いではなく、
構造の違いが、施工性や放熱、選定の考え方につながっている
ということです。

まずは早見表でざっくり感覚をつかみ、そのうえで実際の条件に合わせて選定していきましょう!!
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本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。





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