電圧降下の早見表まとめ|ケーブルサイズ選定の目安を分かりやすく整理

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この記事でわかること
  • 配線長に対しどのくらい電圧降下があるかざっくり分かる
  • ケーブルサイズ選定で電圧降下を確認する理由が分かる
  • 早見表を見るときの注意点が分かる

この記事の対象になる方

  • 電圧降下をざっくり早く確認したい方
  • 生技、保全、設備設計、施工管理等で配線選定の基礎を学びたい方

はじめに

ケーブルサイズを選ぶとき、つい許容電流だけを見て決めたくなりますよね。

でも実際の現場では、それだけでは足りません。
なぜなら、距離が長い回路では電圧降下が支配条件になることがあるからです。

特に、

  • モータまでの距離が長い
  • 電流が大きい
  • 力率があまりよくない
  • 起動時の影響も気になる

こういった条件が重なると、許容電流だけ見て決めたケーブルでは、末端で思ったより電圧が落ちることがあります。

とはいえ、毎回いきなり計算式から入るのもしんどいです。
そこで便利なのが、電圧降下の早見表です。

この記事では、電圧降下の早見表を使ってざっくり目安をつかめるように整理しつつ、早見表だけで決めてはいけない理由 もあわせてまとめます。

まずは早見表でざっくり感覚をつかみ、最終判断は条件を見て計算で詰める。
これがいちばん実務的です。

電圧降下はなぜ確認が必要か

電圧降下とは、電源側から負荷側へ電気を送る途中で、ケーブルの抵抗やリアクタンスによって電圧が下がることです。

つまり、盤の出口ではきちんと電圧が出ていても、長いケーブルを通った先では少し電圧が低くなっている、ということです。

これが問題になる理由は、末端機器が必要な電圧をきちんと受けられなくなる可能性があるからです。

たとえば、

  • モータのトルクが落ちる
  • 起動しにくくなる
  • インバータや電源機器の入力条件から外れる
  • 装置全体の安定性に影響する

といったことにつながる場合があります。

特に工場では、モータ、ヒータ、制御盤、分電盤などが広い敷地に分散していることも多いので、
許容電流だけではなく、電圧降下まで見ておく ことがかなり大事です。

許容電流は流せるかどうかの話、
電圧降下は届いた先でちゃんと使えるかどうかの話、
と分けて考えると整理しやすいです。

早見表を見る前に知っておきたいこと

早見表はとても便利ですが、まず最初に知っておきたいことがあります。

それは、

早見表はあくまで目安であって、最終決定そのものではない

ということです。

なぜかというと、電圧降下は次の条件で変わるからです。

  • 電流値
  • 配線長さ
  • 周波数
  • 力率
  • ケーブルの種類
  • 配線構造
  • RとXの値

つまり、同じsqでも、条件が違えば電圧降下は変わります。

そのため、早見表は
このサイズ感だと、だいたいどのくらい落ちそうか
をつかむためのものとして使うのがよいです。

そして実際の設計では、
この距離、この電流、この力率なら本当に大丈夫か
を確認する必要があります。

ここを先に押さえておくと、早見表の使い方を間違えにくくなります。

配線種別ごとの電圧降下早見表

実際の電圧降下はケーブルメーカー、構造、布設条件、周囲温度で異なるため、採用時は必ず最新のメーカー資料を確認、またはメーカーへ問い合わせしましょう。
※以下の早見表は、三相三線、力率80%を前提に算出しています。

50Hzの場合の早見表

以下は、周波数50Hzを前提とした早見表です。

①負荷電流:50A 配線長:50m

電圧降下(50Hz)単心3条
俵積み
単心3条
平積み
2心及び3心一括シース形4心一括シース形CVD及びCVTCVQ
2 sq41.2 V41.3 V41.8 V41.8 V
3.5 sq23.3 V23.3 V23.7 V23.7 V
5.5 sq15.0 V15.1 V15.3 V15.3 V
8 sq10.5 V10.6 V10.7 V10.7 V
14 sq6.1 V6.1 V6.1 V6.2 V6.2 V6.2 V
22 sq3.9 V4.0 V4.0 V4.0 V4.0 V4.0 V
38 sq2.4 V2.4 V2.4 V2.4 V2.4 V2.4 V
60 sq1.6 V1.6 V1.6 V1.6 V1.6 V1.6 V
100 sq1.0 V1.1 V1.0 V1.0 V1.1 V1.1 V
150 sq0.8 V0.8 V0.7 V0.8 V0.8 V0.8 V
200 sq0.6 V0.7 V0.6 V0.6 V0.6 V0.7 V
250 sq0.6 V0.6 V0.5 V0.6 V0.6 V0.6 V
325 sq0.5 V0.5 V0.5 V0.5 V0.5 V0.5 V
400 sq0.4 V0.5 V
500 sq0.4 V0.4 V
600 sq0.4 V0.4 V
800 sq0.3 V0.4 V
1000 sq0.3 V0.3 V
※交流導体抵抗・リアクタンスの引用元:日本電線工業会 技資第103号B

②負荷電流:50A 配線長:100m

配線長が①の2倍であることから、電圧降下も①の約2倍です

電圧降下(50Hz)単心3条
俵積み
単心3条
平積み
2心及び3心一括シース形4心一括シース形CVD及びCVTCVQ
2 sq82.5 V82.5 V83.7 V83.7 V
3.5 sq46.6 V46.7 V47.3 V47.3 V
5.5 sq30.1 V30.1 V30.5 V30.6 V
8 sq21.0 V21.1 V21.3 V21.3 V
14 sq12.1 V12.2 V12.3 V12.3 V12.4 V12.4 V
22 sq7.9 V8.0 V7.9 V7.9 V8.0 V8.1 V
38 sq4.8 V4.8 V4.7 V4.8 V4.8 V4.9 V
60 sq3.2 V3.2 V3.1 V3.2 V3.2 V3.3 V
100 sq2.1 V2.2 V2.1 V2.1 V2.1 V2.2 V
150 sq1.5 V1.6 V1.5 V1.5 V1.5 V1.6 V
200 sq1.3 V1.3 V1.2 V1.3 V1.3 V1.3 V
250 sq1.1 V1.2 V1.1 V1.1 V1.1 V1.2 V
325 sq0.9 V1.0 V0.9 V0.9 V1.0 V1.0 V
400 sq0.9 V0.9 V
500 sq0.8 V0.8 V
600 sq0.7 V0.8 V
800 sq0.6 V0.7 V
1000 sq0.6 V0.7 V
※交流導体抵抗・リアクタンスの引用元:日本電線工業会 技資第103号B

③負荷電流:100A 配線長:100m

負荷電流が②の2倍であることから、電圧降下も②の約2倍です
また①の表から見て負荷電流が2倍、配線長も2倍であることから、①よりも電圧降下は4倍になります。

電圧降下(50Hz)単心3条
俵積み
単心3条
平積み
2心及び3心一括シース形4心一括シース形CVD及びCVTCVQ
2 sq165.0 V165.1 V167.3 V167.4 V
3.5 sq93.2 V93.3 V94.6 V94.7 V
5.5 sq60.1 V60.3 V61.1 V61.2 V
8 sq42.1 V42.2 V42.6 V42.7 V
14 sq24.3 V24.4 V24.6 V24.6 V24.8 V24.9 V
22 sq15.8 V15.9 V15.8 V15.9 V16.0 V16.1 V
38 sq9.5 V9.7 V9.5 V9.6 V9.7 V9.7 V
60 sq6.3 V6.5 V6.3 V6.4 V6.4 V6.5 V
100 sq4.2 V4.3 V4.1 V4.2 V4.2 V4.3 V
150 sq3.1 V3.2 V3.0 V3.1 V3.1 V3.2 V
200 sq2.5 V2.7 V2.5 V2.5 V2.6 V2.6 V
250 sq2.2 V2.4 V2.1 V2.2 V2.2 V2.3 V
325 sq1.9 V2.0 V1.8 V1.9 V1.9 V2.0 V
400 sq1.7 V1.9 V
500 sq1.5 V1.7 V
600 sq1.4 V1.6 V
800 sq1.3 V1.4 V
1000 sq1.2 V1.3 V
※交流導体抵抗・リアクタンスの引用元:日本電線工業会 技資第103号B

60Hzの場合の早見表

以下は、周波数60Hzを前提とした早見表です。

④負荷電流:50A 配線長:50m

電圧降下(60Hz)単心3条
俵積み
単心3条
平積み
2心及び3心一括シース形4心一括シース形CVD及びCVTCVQ
2 sq41.3 V41.4 V41.9 V41.9 V
3.5 sq23.4 V23.4 V23.7 V23.7 V
5.5 sq15.1 V15.1 V15.3 V15.3 V
8 sq10.6 V10.6 V10.7 V10.7 V
14 sq6.1 V6.2 V6.2 V6.2 V6.3 V6.3 V
22 sq4.0 V4.0 V4.0 V4.0 V4.1 V4.1 V
38 sq2.4 V2.5 V2.4 V2.4 V2.5 V2.5 V
60 sq1.6 V1.7 V1.6 V1.6 V1.7 V1.7 V
100 sq1.1 V1.1 V1.1 V1.1 V1.1 V1.1 V
150 sq0.8 V0.9 V0.8 V0.8 V0.8 V0.8 V
200 sq0.7 V0.7 V0.7 V0.7 V0.7 V0.7 V
250 sq0.6 V0.6 V0.6 V0.6 V0.6 V0.6 V
325 sq0.5 V0.6 V0.5 V0.5 V0.5 V0.5 V
400 sq0.5 V0.5 V
500 sq0.4 V0.5 V
600 sq0.4 V0.5 V
800 sq0.4 V0.4 V
1000 sq0.3 V0.4 V
※交流導体抵抗・リアクタンスの引用元:日本電線工業会 技資第103号B

⑤負荷電流:50A 配線長:100m

配線長が④の2倍であることから、電圧降下も④の約2倍です

電圧降下(60Hz)単心3条
俵積み
単心3条
平積み
2心及び3心一括シース形4心一括シース形CVD及びCVTCVQ
2 sq82.6 V82.7 V83.8 V83.8 V
3.5 sq46.7 V46.8 V47.4 V47.5 V
5.5 sq30.2 V30.3 V30.6 V30.7 V
8 sq21.2 V21.2 V21.4 V21.4 V
14 sq12.2 V12.3 V12.4 V12.4 V12.5 V12.6 V
22 sq8.0 V8.1 V8.0 V8.0 V8.1 V8.2 V
38 sq4.9 V4.9 V4.8 V4.9 V4.9 V5.0 V
60 sq3.3 V3.4 V3.2 V3.3 V3.3 V3.4 V
100 sq2.2 V2.3 V2.1 V2.2 V2.2 V2.3 V
150 sq1.6 V1.7 V1.6 V1.6 V1.6 V1.7 V
200 sq1.4 V1.5 V1.3 V1.4 V1.4 V1.4 V
250 sq1.2 V1.3 V1.2 V1.2 V1.2 V1.3 V
325 sq1.0 V1.1 V1.0 V1.0 V1.0 V1.1 V
400 sq0.9 V1.0 V
500 sq0.9 V1.0 V
600 sq0.8 V0.9 V
800 sq0.7 V0.8 V
1000 sq0.7 V0.8 V
※交流導体抵抗・リアクタンスの引用元:日本電線工業会 技資第103号B

⑥負荷電流:100A 配線長:100m

負荷電流が⑤の2倍であることから、電圧降下も⑤の約2倍です
また④の表から見て負荷電流が2倍、配線長も2倍であることから、④よりも電圧降下は4倍になります。

電圧降下(60Hz)単心3条
俵積み
単心3条
平積み
2心及び3心一括シース形4心一括シース形CVD及びCVTCVQ
2 sq165.2 V165.4 V167.5 V167.6 V
3.5 sq93.4 V93.6 V94.8 V94.9 V
5.5 sq60.4 V60.6 V61.3 V61.4 V
8 sq42.3 V42.5 V42.8 V42.9 V
14 sq24.5 V24.7 V24.7 V24.8 V25.0 V25.1 V
22 sq16.0 V16.2 V16.0 V16.1 V16.2 V16.3 V
38 sq9.7 V9.9 V9.6 V9.7 V9.9 V10.0 V
60 sq6.5 V6.7 V6.5 V6.6 V6.6 V6.7 V
100 sq4.3 V4.5 V4.3 V4.4 V4.4 V4.5 V
150 sq3.2 V3.4 V3.1 V3.2 V3.3 V3.4 V
200 sq2.7 V2.9 V2.6 V2.7 V2.7 V2.8 V
250 sq2.4 V2.6 V2.3 V2.4 V2.4 V2.5 V
325 sq2.1 V2.3 V2.0 V2.1 V2.1 V2.2 V
400 sq1.9 V2.1 V
500 sq1.7 V1.9 V
600 sq1.6 V1.8 V
800 sq1.4 V1.6 V
1000 sq1.4 V1.5 V
※交流導体抵抗・リアクタンスの引用元:日本電線工業会 技資第103号B

電圧降下をサクッと見積もるコツ💡

前項の表を見てお気づきの方もいるかもしれませんが、電圧降下は配線長と負荷電流に比例します。

それは、電圧降下の計算式

電圧降下:ΔV = √3 × I × ℓ ×(R cosθ + X sinθ) ※三相を前提

からも分かります。
この式を見ると、電圧降下は電流 I (A)と配線長 ℓ (km)に比例していることが示されています。

つまり負荷電流と配線長が分かれば、前項①、④の表を目安にして、ざっくり見積もることが可能ということです。

記事の使い方としては、

  • 50Hzか60Hzかを確認
  • 負荷電流、配線長を確認
  • 使用するsqを確認
  • 配線種別を確認
  • ざっくりどの程度の電圧降下になるか目安を見る

という流れで考えると分かりやすいです。

早見表をパッと見たときに大事なのは、

  • 小さいsqほど電圧降下が大きい
  • 同じsqなら配線種別で少し差が出る
  • 高いsqほど電圧降下は小さくなる

という傾向です。

つまり、距離が長い回路や電流が大きい回路ほど、
ケーブルサイズを上げる意味がかなり大きい ということが分かると思います。

早見表を見るときの注意点

早見表は目安であることを前提に、以下のことに気を付けてください。

①電流値が違えば結果は変わる

前項でも紹介した計算式の通り、電圧降下は流れる電流で変わります。
早見表を見るときは、その表がどの負荷電流で整理されているのかを必ず意識してください。

つまり、表の数値だけを見て安心するのではなく、自分の算出したい負荷電流条件に近いか
を確認する必要があるということです。

②距離の扱いを間違えない

電圧降下では、距離の取り方も重要です。
単相と三相では考え方が違いますし、どこからどこまでを配線長とみなすかも設計上のポイントです。
短く見るよりも長く見ておいたほうが吉です。

長さを甘く見積もると、当然電圧降下も甘くなるからです。

③ケーブルの種類で導体抵抗RとリアクタンスXが違う

同じsqでも、CVなのかCVTなのか、あるいは単心ケーブルをどのように並べるかによって、RやXの値が変わります。
導体抵抗RやリアクタンスXなどは、選定したケーブルメーカーが開示している値があればそちらを使用するようにしましょう。
※本表のR,X引用元:日本電線工業会 技資第103号B

計算で正確に確認したい方はこちら

この記事では、まず早見表でざっくり把握することを目的にしました。
ただし、詳細に見積もる場合、

  • なぜそのsqにしたのか
  • 力率をどう見たのか
  • RとXをどう使ったのか
  • 三相または単相でどう計算するのか

まで説明できた方が良いです。

そのため、電圧降下の意味や計算式、実例を使った選定の考え方を詳しく知りたい方は、元記事もあわせて確認してみてください。
電圧降下とは?計算式とケーブルサイズ選定の考え方を実例で解説しています↓

まとめ

電圧降下の早見表は、ケーブルサイズ選定の目安をすばやくつかむために便利です。
特に距離が長い回路では、許容電流だけでなく電圧降下も確認しないと、末端で必要な電圧が確保できないことがあります。

今回のポイントを整理すると、次の通りです。

  • 許容電流だけでなく、電圧降下もサイズ選定の重要条件になる
  • 早見表はざっくり感覚をつかむにはとても便利
  • ただし、電流、距離、力率、配線種別、メーカー等で結果は変わる
  • 最終判断は算出根拠を言えるようにしておくこと

設計・施工検討の最初から全てを厳密計算するのは大変ですが、早見表があれば、まず危なそうなラインを早く見つけられます。
そのうえで、必要な回路については、別記事「電圧降下とは?計算式とケーブルサイズ選定の考え方を実例で解説」で紹介している計算で、しっかり確認していくようにしましょう。


本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。

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