光回線の選び方を現役エンジニアが考えてみた|1ギガ・10ギガの違いと選定ポイント

電気・制御
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この記事でわかること
  • 各社が提供している光回線速度が分かる
  • 家のインターネットを速くする方法が分かる
  • インターネット環境を良くする上で気を付けるポイントが分かる
  • 光回線の提供に時間がかかる理由が分かる

この記事の対象になる方

  • これから光回線を契約しようとしている方
  • 光回線を契約していて、インターネット速度を改善したい方
  • 家のネット環境が遅い理由が分からない方
  • オンラインゲーム、動画を自宅で快適に視聴したい方
  • 光回線の提供に時間がかかっていて、その理由を知りたい方

はじめに

どうも皆さんこんにちは!末端エンジニアの二コラです。

光回線を契約しようと思って調べてみると、

「10ギガがおすすめ」
「この光回線が速い」
「キャンペーンで今ならお得」

など、さまざまな情報が出てきますよね。

ここで注意したいのは、「通信速度を速くするためには、光回線の契約だけ変更すればいい」わけではないということです!

この記事では、光回線を選ぶときに確認したいポイントについて、普段ネットワークや制御機器を扱っているエンジニアの視点から、分かりやすく紹介したいと思います。

結論|主要光回線の速度プランを比較

まずは早速、結論から見てみましょう。

主要な光回線について、提供されている最大通信速度のプランを比較すると次のようになります。

光回線最大1Gbps最大2Gbps最大5Gbps最大10Gbps
SoftBank 光
auひかり
ドコモ光
NURO 光
BIGLOBE光
GMOとくとくBB光
○:該当する速度プランあり
-:該当する速度プランなし

※2026年8月時点。提供エリア・住宅タイプ・設備状況などによって利用できるプランは異なります。

こうして比較すると10Gbps対応のサービスが増えているため、

「どうせ契約するなら10ギガにした方がいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、ここが今回の記事で一番伝えたいところです。

10Gbpsの光回線を契約したからといって、パソコンで10Gbpsの通信ができるとは限りません。

どの光回線が安いのか?

これははっきり言って、読者のみなさんが使用している携帯キャリアによって変わると思います。

おすすめは、

①使用している携帯と同じキャリアで見積する
②携帯キャリアとは別の光回線(NURO、BIGLOBE、GMO等)を見積する
③比較し、コスパの良い光回線と契約する

です。

過去、筆者自身も携帯と同じキャリアの光回線を見積しましたが、最終的にコスパの面から、携帯キャリアでない光回線を契約しました。

光回線だけでは通信速度は決まらない

家庭のインターネット環境をかなり簡単にすると、この絵のような構成になっています。

つまり、インターネット回線を光回線にすることは、ネットワーク全体の一部分にすぎないのです。

例えるなら、
「家の前の道路だけ広くしても、その先の道路の車線が少なく常に渋滞していれば、目的地には早く着けない」ということに似ています。

ネットワークでも同じことが起こります。

通信速度は一番遅いところがボトルネックになる

例えば10Gbpsの光回線を契約したとして、他の機器が以下のスペックだったとします。

光回線:10Gbps
ONU:10Gbps対応
ルーター:1Gbps
LANケーブル:10Gbps対応
PC:2.5Gbps

この場合、ルーターが最大1Gbpsまでしか対応していなければ、そこがボトルネックになります。

どれだけ頑張っても、末端のPCで通信できる速度は最大1Gbpsというわけです。

伝えたいことは、

インターネット回線を速くしたければ、全ての機器・ケーブルを見直す必要がある」

ということです。

10Gbps環境を構築するのであれば、

  • ONU・ホームゲートウェイ
  • ルーター
  • LANポート
  • LANケーブル
  • HUB
  • パソコンのLANインターフェース

なども確認するようにしましょう。

どのキャリアでも10Gbps使用時には、10Gbps対応ルーターや10GBASE-T対応LANポート、カテゴリ6A以上のLANケーブルが推奨されているのは、これが理由です。

1Gbps・2Gbps・5Gbps・10Gbpsはどのくらい違う?

理論上の最大通信速度を単純に比較すると、次のようになります。

回線速度1Gbpsとの比較
1Gbps1倍
2Gbps2倍
5Gbps5倍
10Gbps10倍

当然ですが、数値だけを見れば10Gbpsが最も高速です。

ただし、この数字は基本的にサービス上の最大通信速度です。
実際の通信速度を保証しているわけではありません。

光回線の多くはベストエフォート型サービスです。

・ベストエフォート(best effort)とは?
名前のとおり「最大の努力」を表し、最大限の通信速度を提供できるように努めるサービスです。

※表示されている最大通信速度を保証するものではありません。

つまり、

  • 回線の混雑状況
  • 利用する機器
  • 宅内配線
  • Wi-Fi環境
  • 接続する端末

などによって実際の速度は変化します。

そのため、

10Gbpsを契約すれば、常に10Gbpsの通信速度が出る」

という意味ではないので注意しましょう。

1Gbpsでは足りないのか?

ここで気になるのが、

「じゃあ今から契約するなら10Gbpsにするべき?」

という点です。

個人的には、すべての家庭で10Gbpsが必要とは考えていません。

むしろ一般的なWebサイトの閲覧や動画視聴、SNS、オンライン会議などを中心に利用するのであれば、1Gbpsの光回線でも十分なケースは多いでしょう。

一般的な利用方法で通信が遅いと感じた場合、

契約している回線速度より、家庭内のネットワーク環境が適切に構成されているか

という視点で見直してみてください。

例えば光回線が1Gbpsでも、

  • Wi-Fiルーターの設置場所が悪い
  • Wi-Fiの電波が弱い
  • 古いLANケーブルを使用している
  • 古いルーターを使用している
  • 古いHUBを使用している

といった環境では、通信速度が低下する可能性があります。

10Gbpsを検討したいのはどんな人?

では10Gbpsは意味がないのかというと、もちろんそんなことはありません。

例えば、次のような使い方をする場合は検討する価値があります。

  • 大容量ファイルを頻繁にダウンロード・アップロードする
  • オンラインゲームにリアルタイム性が求められる
  • 家族で多数の端末を同時利用する
  • 高画質動画を複数端末で同時に視聴する
  • 将来的なネットワーク高速化を考えている

もちろん単純に「お金はかかってもいいから高速化したい!」という方も該当します。

10Gbpsを選ぶならLANケーブルも確認する

10Gbps回線を導入するときに、忘れやすいのがLANケーブルです。

例えばカテゴリによって対応する通信規格や性能が異なるため、
「昔から使っているLANケーブルをそのまま使えばいい」
とは限りません。

10GBASE-Tで安定したネットワークを構築するのであれば、Cat6Aなど10Gbpsを意識したケーブル選定も検討したいところです。

LANケーブルについては、以下の記事で概要や選び方を詳しく解説しています↓

特に光回線を10Gbpsに変更するのであれば、光回線だけではなくLAN側もセットで確認することをおすすめします。

なぜ光回線の提供には時間がかかるの?エンジニア目線で解説

光回線を申し込んだとき、

「ネット回線をつなぐだけなのに、なぜ開通までこんなに時間がかかるの?」
「家の近くの電柱から光配線を引き込めば終わりなのでは?」

と思ったことはないでしょうか。

ここで、提供までの仕組みをエンジニア視点で紹介し、きっと皆さんが疑問に感じている「なぜ光回線が開通までに1カ月以上かかる場合があるの?」にお答えしようと思います。

光回線提供までの流れ

エンジニアから見た光回線開通までの一般的な流れは、ざっくり以下のようになります。



こうして並べてみると、申込みをしてすぐ施工できるわけではないことが分かります。

特に時間がかかりやすいポイントが、「現地調査」と「施工」です。

それぞれについて、もう少し詳しく見てみましょう。

時間がかかるポイント① 現地調査|設備と光ファイバーの経路を確認する

光回線は、単純に「自宅から最も近い電柱へ光ファイバーを接続すればよい」というわけではありません。

光ファイバーは、通信事業者側の設備から中継設備や光ケーブルを経由し、最終的に各家庭までつながっています。

かなり簡略化すると、

という流れになります。

そのため、まずは既存設備を利用して自宅まで光回線を構築できるのか確認する必要があります。

最寄りの電柱に光ケーブルがあれば使えるとは限らない

自宅付近の電柱に光ケーブルらしきものが見えていると、

「ここから家まで引けばすぐ使えるのでは?」と思うかもしれません。

既設の多心光ケーブルに使用可能な空き芯線があれば、比較的シンプルな工事で済む場合もあります。

一方で、

  • 使用できる芯線があるか
  • その芯線が上流側(局側の設備)まで接続されているか
  • 途中でどの中継設備を経由しているか
  • 別の電柱を経由する必要がないか
  • 地中配管や地下の設備を経由していないか

といった内容を調査しなければならない場合があります。

光回線は、上流側から自宅まで、一本の通信経路として成立することを確認する必要があるのです。

光ファイバーは接続されていればOKというわけではない

さらに光ファイバーの場合、

物理的につながっているだけでは十分ではありません。

光ファイバーは文字通り「光」を使って通信しているため、
途中で光が大きく減衰してしまうと正常な通信ができなくなります。

筆者も研究や仕事で光ファイバーのロス測定をしたことがありますが、

光と光を結線(溶着)することがうまくいっていないとロスが大きくなり、

通信速度にダイレクトに効いてきます。

そのため専用の測定器を使用し、

  • 光ファイバーが断線していないか
  • 接続箇所に異常がないか
  • 光損失が許容範囲内に収まっているか

などを確認します。

光損失は一般的に「dB(デシベル)」で管理されます。

例えば、

光ファイバーはつながっている

途中の接続部などで光損失(dB値)が大きい

通信品質を確保できない

途中の接続部を再調査

という可能性もあります。

これは電気設備で例えるなら、「電線がつながっているからOK」ではなく、電圧や絶縁状態などを測定して、正常に使用できることまで確認するイメージに近いと思います。

光回線でも、接続できることと、品質を確保して通信できることは別の話というわけです。

時間がかかるポイント② 施工|光ファイバーを接続するだけでは終わらない

設備や配線経路の調査が終わったら、次は実際の施工です。

施工では調査結果の状況に応じて、

  • 中継設備での光ファイバー接続
  • 電柱間への光ケーブル敷設
  • 電柱から住宅への光ファイバー引き込み
  • 宅内への光コンセント設置
  • ONUなどの接続
  • 光レベルの測定
  • 開通試験

などを行います。

読者のみなさんからすると、自宅前の電柱から光ファイバーを一本引いて終わりに見えるかもしれません。

しかし実際には、自宅より上流側での設備でも作業が必要になる場合があります。

必要に応じて電柱間へ新しくケーブルを敷設することもある

既設の光ケーブルだけで自宅まで接続できれば比較的シンプルです。

しかし、必要な場所までケーブルが敷設されていなかったり、既設設備だけでは対応できなかったりする場合は、新たに光ケーブルを敷設するケースもあります

例えば、

既設の光設備

電柱A

電柱B
↓※ケーブル無し
電柱C

契約する住宅

というルートが必要な場合、状況によっては電柱B~C間に新しく光ケーブルを敷設しなければなりません。
当然、このような作業では高所作業車などが必要になるケースもあります。

つまり光回線工事は、

自宅の前だけで完結する工事とは限らない

ということです。

道路上で作業する場合は道路使用許可などが必要になることもある

さらに、施工を行う場所によっては、すぐ工事できるとは限りません。

例えば、道路上に高所作業車などを停車させて作業する場合には、工事内容や場所に応じて道路使用許可などの手続きが必要になります。

ここで道路の知識も必要になりますが、道路は

  • 市道
  • 私道
  • 県道
  • 国道

などの種類があります。

そして道路の種類や工事内容に応じて、

申請書類の作成

申請

許可

工事日程の確定

という工程が加わります。

そのため、

「工事自体は数時間なのに、なぜ施工日がかなり先になるの?」

というケースでも、実際にはその前段階で設備調査や工程調整、申請などが進められている可能性があります。

最後に開通試験をして利用開始

光ファイバーの敷設や接続が完了したら、それで工事終了ではありません。

最終的に、

  • 光が正常に届いているか
  • 光損失が許容範囲内か
  • ONUが正常に接続できるか
  • 通信できる状態になっているか

などを確認します。

この開通試験まで問題なく完了して、ようやく光回線を利用できるようになります。

つまり光回線工事は、

ケーブルを接続する工事

だけではなく、

調査 → 配線経路の確認 → 工程調整 → 資材準備 → 各種手続き → 施工 → 品質確認 → 開通試験

までを含んだ一連の作業だと考えると分かりやすいでしょう。

光回線の開通に1か月程度かかることがあるのは不思議ではない

最後に、ここまでの工程を改めて確認しましょう。

これらの工程を考慮すると、光回線の申込みから開通まで1か月前後かかるケースがあっても、それほど不思議ではありません。

エンジニア目線で見ると、単純に「光ファイバーを家まで一本引く工事」ではなく、

局側から自宅まで一つの通信設備を構築し、最後に通信品質まで確認する工事

と考えると、開通まである程度の時間が必要になる理由も理解しやすいと思います。

みなさんの自宅へ届けるために、専門のエンジニアが必死に調査・設計・施工を行っています。

今一度、余裕をもって待ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、光回線の選び方をエンジニア目線で考えてみました。

重要なポイントは、

光回線を高速にしたい場合は、LANケーブルやルーターなど宅内ネットワークについても
一度確認してみてください。

そして、光回線の契約から開通までは時間がかかる場合があります。
もし今どの工程で止まっているか気になる方は、今回の記事を参考にしながら、契約先へ確認してみてもいいかもしれません。


本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。

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