LANケーブルのカテゴリの選び方|現役エンジニアがCat5e・Cat6・Cat6A・Cat7・Cat8を比較

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この記事でわかること
  • LANケーブルの「カテゴリ」とは何か
  • Cat5e・Cat6・Cat6A・Cat7・Cat8の違い
  • 家庭やオフィスではどのカテゴリを選べばよいか
  • ルーターやパソコンの性能からLANケーブルを選ぶ方法
  • LANケーブルを選ぶときの注意点

この記事の対象になる方

  • LANケーブルを購入したいけど、どのカテゴリを選べばいいか分からない方
  • Cat6・Cat6A・Cat7・Cat8の違いを知りたい方
  • 10Gbps回線にしたのでLANケーブルを交換しようと考えている方
  • ルーターに合ったLANケーブルを選びたい方
  • 工場や設備でEthernetケーブルを選定する方

はじめに

みなさんこんにちは!末端エンジニアの二コラです。

この記事にたどり着いた方は、LANケーブルを購入しようとして、

  • Cat5e
  • Cat6
  • Cat6A
  • Cat7
  • Cat8

などのカテゴリ表示と対面し、
なんとな~く、カテゴリの数字が大きいほど高性能なのは分かっても、

「結局、どれを選べばいいの?」

と迷っているのではないでしょうか。

そこで最初に押さえておきたいのが、

LANケーブルは、単純に一番カテゴリの高いものを選べばよいわけではない

ということです。

LANの通信速度はケーブルだけで決まるものではありません。
ルーター・スイッチングハブ・パソコン・NASなど、接続している機器全体の性能によって決まります。

この記事では、実際にEthernetを扱うエンジニアの視点から、LANケーブルのカテゴリの選び方をできるだけ分かりやすく解説します。

それではいってみよー!

結論|迷ったらCat6A。ただし用途によってはCat5e・Cat6で十分

最初に、ざっくり結論をまとめます。

使用環境おすすめカテゴリ
既存の1Gbps環境Cat5eでも十分
一般家庭・オフィスCat6またはCat6A
新しくLAN配線を引くCat6Aが有力
2.5Gbps・5Gbps通信Cat6またはCat6A
10Gbps通信Cat6A
サーバーやインフラ用途Cat7
データセンターなど特殊な高速用途Cat8

これから新しくLANケーブルを購入するのであれば、個人的にはCat6Aが非常に選びやすいカテゴリだと思います。

10Gbpsまで対応でき、将来的な機器更新にもある程度対応しやすいためです。

ただし、現在使っているルーターやパソコンが1Gbpsまでしか対応していないのであれば、Cat5eやCat6でも十分なケースがあります。

反対に、

「Cat8が一番数字が大きいから、とりあえずCat8にしておこう」

という選び方はあまりおすすめしません。

なぜなら、LANケーブルだけを高性能にしても通信速度は速くならないからです。

LANケーブルの「カテゴリ」とは

LANケーブルに書かれているCatは「Category(カテゴリ)」の略です。

カテゴリによって、対応する通信速度や伝送帯域などが異なり、ケーブル自体の構造にも違いがあります。

以下、一例を載せておきます。

カテゴリ最大通信速度の代表例伝送帯域
Cat5e1Gbps100MHz
Cat61Gbps条件によって10Gbps250MHz
Cat6A10Gbps500MHz
Cat710Gbps600MHz
Cat825Gbps・40Gbps2000MHz

カテゴリが高いと、どんなことが強化されているか

Cat5e → Cat6 → Cat6A → Cat7 → Cat8 と上がるにつれて、主に次のような部分が強化されます。

  • より対線のねじり方
    4対のツイストペアは、それぞれ異なるピッチで撚られています。上位カテゴリほどクロストークを抑えるため、この設計がよりシビアになります。
  • ペア同士を離す構造
    Cat6などでは、内部に十字状のセパレータを入れて4対を離している製品があります。これもペア間の信号干渉を減らすためです。
  • シールド
    上位カテゴリでは、シールドが重要になってきます。シールドとは金属の箔や網のことで、それらで導線が覆われているケーブルをシールド付きケーブルと言います。
  • 導体径やケーブル外径
    高い周波数での損失やクロストークを抑えるため、上位カテゴリでは太めの導体や太いケーブルになる製品が多くなります。ただし、これもメーカー設計によります。
  • コネクタや成端部分の性能
    ケーブルだけ良くてもダメで、ジャックやプラグを含めてカテゴリ性能を満たす必要があります。例えばCat6A用ジャックでは、導体間隔やクロストークを抑える構造が採用されています。

LANケーブルのカテゴリが高いほど速くなる?

例えば、Cat6からCat8に交換したからといって、インターネットの通信速度が自動的に何倍にもなるわけではありません。

ネットワークは、

インターネット回線

ONU

ルーター

LANケーブル

パソコン

といった複数の機器で構成されています。

通信速度は、この経路に存在する機器の性能によって決まります。

通信速度は一番遅い機器がボトルネックになる

例えば、次のような構成だったとします。

  • 契約したインターネット回線:10Gbps
  • ルーターのLANポート:1Gbps
  • LANケーブル(Cat6A): 10Gbps
  • パソコン:2.5Gbps

この場合、一番遅いのはルーターのLANポートです。

そのため、10Gbps回線やCat6Aを使用していても、ルーター部分がボトルネックになります。

つまり、

通信速度は、ネットワークの中で一番遅い部分に引っ張られる

と考えると分かりやすいでしょう。

LANケーブルだけを高性能なものに交換しても、ルーターやパソコンが対応していなければ性能を使い切れません。

LANケーブルを選ぶときはルーターのLANポートを見る

LANケーブルを選ぶ際、まず確認してほしいのがルーターの仕様です。

特に確認したいのが、LANポートの通信速度です。

ルーターの商品仕様を見ると、

  • WAN:10Gbps
  • LAN:1Gbps
  • LAN:2.5Gbps
  • LAN:10Gbps

などと記載されています。

ここで注意したいのが、

WAN側の速度とLAN側の速度は別

ということです。

例えば、インターネット回線との接続に使用するWANポートが10Gbpsに対応していても、パソコンへ接続するLANポートが1Gbpsまでという製品もあります。
※WANとは、外のインターネット回線からくるポートのことです。

この場合、パソコンとの有線通信では1Gbps部分が制限になります。

現役エンジニアならこうやってLANケーブルを選ぶ

筆者ならLANケーブルを選ぶとき、カテゴリの数字から考えるのではなく、次の順番で確認します。

STEP1 必要な通信速度を確認する

まず、本当に何Gbps必要なのかを確認します。

例えば、

  • Web閲覧
  • 動画視聴
  • オンラインゲーム
  • NASへのデータ転送
  • 大容量動画ファイルの転送
  • サーバーとの通信

では、必要な通信速度が変わります。

普通のインターネット利用であれば、10Gbpsが必要とはならないはずです。

STEP2 インターネット回線の契約を確認する

室内の機器だけ爆速にしても、契約したインターネット回線が遅ければ速くはなりません。

機器を準備する前に契約内容を確認し、必要であれば変更しましょう。

STEP3 ルーターやハブの通信速度を確認する

次に、

  • ルーター
  • スイッチングハブ

のLANポート仕様を確認します。

ここが1Gbpsなら、Cat6を使用しても基本的に1Gbps以上の性能を引き出すことはできません。

STEP4 パソコンやNASのLANポートを確認する

次に、接続する機器側を確認します。

例えばパソコンのLANポートが1Gbpsまでなら、10Gbps対応ルーターとCat6Aを用意しても、パソコン側で1Gbpsに制限されます。

NASなどで高速通信をしたい場合は、

  • NAS
  • パソコン
  • スイッチ
  • ルーター
  • ケーブル

まで含めて確認する必要があります。

STEP5 必要な速度を満たすカテゴリを選ぶ

ここで初めてLANケーブルのカテゴリを決めます。

例えば、

1Gbpsで十分
→ Cat5eまたはCat6

将来的に10Gbpsを使う可能性あり
→ Cat6A

といった考え方です。

家庭用ならどのカテゴリがおすすめ?

家庭用LANケーブルなら、個人的には次のように考えます。

用途おすすめ
1Gbps回線Cat5eまたはCat6
普通の家庭用LANCat5eまたはCat6
10Gbps回線Cat6A
将来10Gbpsにする可能性があるCat6A
Cat7・Cat8特別な理由がなければ不要

今から新品を購入する場合、価格差が小さければCat6やCat6Aを選ぶとよいでしょう。

特に新築やリフォームなどで壁内配線を行うのであれば、あとから交換する手間を考えてCat6Aを検討する価値があります。

Cat7、Cat8は家庭用LANに必要?

結論から言うと、一般家庭で10Gbpsまで使用するケースはほぼ無いと思っています。

また、Cat7やCat8はシールドを使用する構造が前提となるため、単純にケーブルだけ用意すればよいとは限りません。

適切に接地(アースを取る)をする必要があるので、主に産業用(ビジネス向け)と考えていいと思っています。

一般家庭用であれば、Cat6Aで十分でしょう。

気になるLANケーブルの価格帯は?

カテゴリが高い方が、当然ながら高価になります。

経済的にもオーバースペックとならないLANケーブルの選定が重要です。

以下、金額の目安になります。

カテゴリ価格目安※5m
Cat5e¥1000~
Cat6¥1500~
Cat6A¥2000~
Cat7¥2500~
Cat8¥3000~

工場・FA設備ならカテゴリだけで決めない

工場やFA設備のEthernet配線では、家庭用よりもさらに注意が必要です。

工場では、

  • PLC
  • リモートI/O
  • インバータ
  • サーボアンプ
  • 画像処理装置
  • 産業用PC
  • ロボット

など多くの機器が使用されています。

また、周囲にはモーターやインバータなど、ノイズ源になる機器もあります。

そのため工場では、

カテゴリの数字だけでLANケーブルを選ばない

ことが重要です。

メーカー指定を確認する

産業用Ethernetでは、

  • EtherNet/IP
  • PROFINET
  • EtherCAT

などがあります。

使用するネットワークや機器によって、推奨ケーブルが指定されている場合があります。
その場合はメーカー仕様を優先します。

UTP・STPも確認する

工場ではノイズ対策として、STPケーブルを使用するケースもあります。

ただし、STPだからといって、必ずノイズに強くなるわけではありません。

シールドの処理や接地方法も重要になります。

動力線との配線にも注意する

インバータやモーター配線などの動力線とLANケーブルを近接して配線すると、通信に影響する可能性があります。

工場ではカテゴリだけでなく、

  • 配線ルート
  • 動力線との離隔
  • シールド
  • 接地

まで含めて考えましょう。

まとめ

LANケーブルには、様々なカテゴリがあり、カテゴリが高いほど通信性能は高くなります。

しかし、一番高性能なLANケーブルを選べばよいわけではありません。

途中に1Gbpsまでしか対応していない機器があれば、そこがボトルネックになります。

そのためLANケーブルを選ぶときは、回線契約やルーターなどの機器も確認するようにしましょう!


本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。

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