この記事の対象になる方
- CVVとVCTFのどちらを使うか迷っている方
- 制御盤や機械設備の配線を選定する方
- 柔らかくて取り回しやすいケーブルを探している方
はじめに
みなさん、こんにちは!
末端エンジニアのニコラです。
工場設備の配線では、CVVケーブルやVCTFケーブルが使用されることがあります。
どちらも複数の線心をまとめたケーブルですが、
「CVVとVCTFは何が違うの?」
「制御盤から設備までの配線にはどちらを使うべき?」
「柔らかいVCTFなら、可動部にも使用できる?」
このように迷うことがあるのではないでしょうか。
CVVとVCTFの大きな違いは、想定されている用途です。
CVVは、発変電所や工場、各種プラントなどの制御回路に使用される制御用ケーブルです。
VCTFは、交流300V以下の屋内用小型電気機器などに使用される、柔軟性の高いビニルキャブタイヤ丸形コードです。

この記事では、CVVケーブルとVCTFケーブルの違いを比較し、制御盤や機械設備での使い分けを解説します。
CVVケーブルとVCTFケーブルの違いを比較
CVVとVCTFの主な違いは、以下のとおりです。
| 比較項目 | CVV | VCTF |
|---|---|---|
| 名称 | ビニル絶縁ビニルシースケーブル | ビニル絶縁ビニルシースキャブタイヤケーブル |
| 定格電圧の代表例 | 600V以下 | 300V以下 |
| 主な用途 | 制御回路の固定配線 | 機械近傍や移動用電気機器への配線 |
| 柔らかさ | 比較的硬い | 柔らかい |
| 得意な配線 | 制御盤から設備までの固定配線 | 機器内部や取り回しが必要な短い配線 |
| 心数 | 最大30心 ※1 | 最大50心 ※1 |
| シールド | 標準CVVはシールドなし。 型式指定が必要。 | 標準VCTFはシールドなし。 型式指定が必要。 |
| 耐熱 | 60℃ | 60℃ |
| 屋外使用 | ビニル絶縁なので△ ※製造メーカーへ確認 | 屋内用途で作られているので× |
| 連続屈曲 | 基本的に不向き | 基本的に不向き |
| 主な選定理由 | 振動などが発生していない場所で、 多数の制御信号をまとめて固定配線する | 振動などが発生する機械近傍等の場所で、多数の制御信号をまとめて固定配線する |
| 対応規格 | JIS C 3401 | JIS C 3306 |
CVVケーブルとは
CVVは、制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブルです。
工場やプラントなどにおいて、制御信号や接点信号をまとめて送るために使用されます。
代表的な用途は、以下のとおりです。
- 制御盤から中継端子箱までの配線
- 制御盤から機械設備までの配線
- 複数の接点信号をまとめた多心配線
CVVは、2心や3心だけでなく、10心、20心、30心などの多心タイプを選べます。
CVVの導体は、一般的なVCTFほど細い素線で構成されていないため、ケーブル全体としては比較的硬くなります。
配線後に動かさない固定配線には向いていますが、機械の動きに合わせて繰り返し曲げる場所には向いていません。
また、標準的なCVVにはシールドがありません。
インバータやサーボアンプの近くなど、ノイズの影響を受けやすい場所では、シールド付きのCVVSや別の計装・通信用ケーブルを検討しましょう。
VCTFケーブルとは
VCTFは、ビニルキャブタイヤ丸形コードです。
交流300V以下の屋内用小型電気機器などに使用され、柔らかく取り回しやすいことが特徴です。
代表的な用途は以下のとおりで、CVVとも似ています。
ただし、振動が発生する場所や狭い場所にも向いています。
- 制御盤から中継端子箱までの配線
- 制御盤から機械設備までの配線
- 複数の接点信号をまとめた多心配線
VCTFは導体に細い素線を多数使用しているため、CVVと比べて柔らかく、曲げやすいケーブルです。
狭い機器内部や、コネクタ付近などの細かな取り回しが必要な場所では、VCTFの方が作業しやすくなります。
ただし、一般的なVCTFは定格300V以下です。
CVVが使われている600Vクラスの制御回路を、同じ心数や太さのVCTFへそのまま交換できるとは限りません。
また、VCTFは柔らかいものの、標準品がロボットやケーブルベアなどの連続屈曲に対応しているわけではありませんので、ご注意ください。
連続屈曲が発生する場合、適切な可動ケーブルやロボットケーブルを選定するようにしましょう。
電源ケーブルとして、VCTケーブルもあります。
VCTとVCTFの違いについては、こちらの記事をご覧ください↓
CVVとVCTFはどのように使い分ける?

ここはズバリ、筆者の考える使い分けはざっくり以下のとおりです。
CVV:機械の近傍でない場所で制御用配線を敷設する(耐圧AC600V)
VCTF:機械の近傍や狭い場所で制御用配線を敷設する(耐圧AC300V)
CVVとVCTFを使い分けるときは、固定して配線するのか、柔らかさや取り回しが必要なのか、振動する場所かを確認します。
CVVの代わりにVCTFを使える?
条件を満たしていれば使用できる場合もありますが、CVVの代わりにVCTFを無条件で使用することはできません。
CVVとVCTFでは、定格電圧と想定用途が異なります。
交換や新規選定を行うときは、次の項目を確認してください。
定格電圧
一般的なCVVは600V、VCTFは300V以下です。
回路電圧が低いからといって、定格電圧だけで交換できるとは限りませんが、最初に確認すべき重要な項目です。
使用場所
CVVは制御回路の固定配線、VCTFは屋内用小型電気機器の配線を主な用途としています。
各メーカーが出している仕様に基づき判断するようにしてください。
重要なことは、ケーブルの素材だけで「屋外でもOK!」と判断するのは危険だということです。
メーカーが屋内用と記載していれば、そのケーブルは「屋内用を想定し作成されている」と考えましょう。
屋外、水や油が付着する場所、高温になる場所では、製品ごとの耐候性、耐水性、耐油性、使用温度をメーカーへ確認しましょう。
許容電流
同じ0.75sqや1.25sqでも、心数、絶縁体、配線条件によって許容電流は異なります。
ケーブルの太さだけで判断せず、使用するメーカーの許容電流表を確認してください。
固定か可動か
固定部であればCVV、可動部であればVCTFです。
ただし、連続屈曲する場所にはVCTFも適していないため、可動ケーブルまたはロボットケーブルを選定しましょう。
VCTFなら可動部に使える?
VCTFはCVVより柔らかいため、配線時の取り回しや、機器をときどき移動させる用途には向いています。
しかし、柔らかいことだけを理由に、ケーブルベアやロボットへ使用するのは適切ではありません。
可動部には、大きく分けて次のような違いがあります。
| 使用状態 | ケーブル選定の考え方 |
|---|---|
| 配線時に曲げるだけ | CVVまたはVCTFを仕様に応じて選定 |
| メンテナンス時に少し動かす | VCTFなど柔軟性のある製品を検討 |
| 機械の振動が多少伝わる | VCTFで検討する |
| 運転中に繰り返し往復する | 一般的に「可動ケーブル」「ロボットケーブル」と呼ぶ製品群を使用する |
| ロボットの動きに合わせてねじれる | 一般的に「ロボットケーブル」や「対屈曲」「対捻回」と記載のある製品群を使用する |
ケーブルの名称だけでなく、
メーカーが「固定用」「可動用」「ロボット用」のどれに分類しているかを確認する
ことが重要です。
まとめ
今回の記事では、CVVケーブルとVCTFケーブルの違いを解説しました。
筆者の考えるざっくりした使い分けは以下のとおりです。
CVV:機械の近傍でない場所で制御用配線を敷設する(耐圧AC600V)
VCTF:機械の近傍や狭い場所で制御用配線を敷設する(耐圧AC300V)
定格電圧、使用場所、許容電流、心数、柔らかさ、可動条件を確認し、用途に最も合ったケーブルを選定しましょう。
本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。



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