三相200Vモータのケーブルサイズ早見表|0.75~55kWの電流・ブレーカ容量を一覧比較

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この記事でわかること
  • 三相200Vモータの容量別の全負荷電流
  • モータ容量から見たCVケーブルサイズの目安
  • モータ容量ごとのブレーカ定格目安
  • MCCB・ELBの選定例

この記事の対象になる方

  • 三相200Vモータのケーブルサイズを知りたい方
  • モータ容量からブレーカ容量を確認したい方
  • 設備設計や見積りで早見表を使いたい方
  • モータ電源回路の選定方法を確認したい方

はじめに

みなさん、こんにちは!末端エンジニアの二コラです。

三相200Vモータの電源回路を設計するとき、

「5.5kWならケーブルは5.5sqくらい?」
「5.5kWなら3.5sqを使ってるところが多いな!」

と漠然とケーブルサイズを考えてしまうこと、ありますよね。

しかし、

  • モータのkWとケーブルのsqに直接的な関係があるわけではありません
  • モータ容量から漠然とケーブル容量が決まるわけではありません

基本的には、下記の順番で考えます。

  • 全負荷電流値を確認する
  • 安全率を考慮した電流値を算出する
  • CVケーブルを選定する
  • ブレーカを選定する

この記事では、一般的なケーブル選定方法を詳しく説明するのではなく、
「三相200Vモータの容量が分かっているとき、ケーブルとブレーカはどのくらいになるか」という部分に絞って早見表を紹介します。


※ケーブル選定そのものの考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています↓

【結論】三相200Vモータのケーブルサイズ・ブレーカ早見表

まず結論です。
三相200V・4極モータについて、モータ容量別に全負荷電流、4心CVケーブル、ブレーカ容量、サーマル設定をまとめると以下のようになります。

出力[kW]全負荷電流[A]全負荷電流×1.5(安全率)[A]4心CVケーブル目安ブレーカ定格目安[A]MCCB選定例 ※三菱製ELB選定例
※三菱製
サーマル
設定値[A]
0.753.65.42sq10NF32-SVFNV32-SV3.6
1.56.49.62sq15NF32-SVFNV32-SV6.4
2.29.414.12sq20NF32-SVFNV32-SV9.4
3.715.022.52sq30NF63-SVFNV63-SV15.0
5.522.333.55.5sq50NF63-SVFNV63-SV22.3
7.529.143.75.5sq60NF63-SVFNV63-SV29.1
1141.662.414sq75NF125-SVFNV125-SEV41.6
1557.185.722sq100NF125-SVFNV125-SEV57.1
18.568.2102.338sq100NF125-SVFNV125-SEV68.2
2281.4122.138sq150NF250-SVNV250-SEV81.4
30110.0165.060sq175NF250-SVNV250-SEV110.0
37136.0204.0100sq225NF250-SVNV250-SEV136.0
45167.0250.5100sq250NF250-SVNV250-SEV167.0
55202.0303.0150 sq300NF400-SWNV400-SEW202.0
全負荷電流・ブレーカ定格 参考:三菱電機「三相モータ・ギヤードモータ<技術資料> L01042」
4心CVケーブル 参考:過去記事CVケーブルとCVTケーブルの違いを分かりやすく解説|許容電流早見表付き

【早見表の前提】※重要

  • 本記事では、三相3線+接地線を4心CVケーブルで配線するケースを想定しています。
  • ケーブルサイズは、本記事独自の目安として「全負荷電流×1.5(安全率)以上の許容電流(A)を持つ最小サイズ」を選定しています。「1.5倍」は、すべての設備に一律で要求される安全率という意味ではありません。
  • CVケーブルの許容電流は、布設方法・周囲温度・集合布設などによって変わります。
    最終選定時は、使用するケーブルメーカーの資料を確認するか、メーカー担当者へ確認してください。
  • 早見表はMCCB・ELBを定格電流で選定しています。最終選定時は、必要な遮断容量、極数、設置条件、保護協調などを含めて選定してください。
    ※遮断容量を含めたブレーカ選定については、こちらの記事を参照してください↓
     工場のブレーカ選定はこうやる|MCCB/ELBの違いと保護協調の基本
  • 早見表では、過負荷はサーマルでトリップさせることを前提とし、サーマル設定値を全負荷電流と等しくしています。正しくは、選定したモータメーカ―の資料を参考にしてください。

上記の前提に気を付けていただき、早見表を活用いただければと思います。
次に、実際に5.5kWモータを例に、早見表の算出例を紹介します。

実例|5.5kWモータのケーブルサイズを選定してみる

早速、早見表の考え方を5.5kWモータを例に確認してみましょう!

STEP①:全負荷電流値を確認する

5.5kWの全負荷電流は、早見表より

22.3A

となります。
※早見表は三菱製の三相モータの資料から引用しています

この全負荷電流は、選定したモータメーカーの資料から取得してください。

STEP②:安全率を考慮した電流値を算出する

本記事では、ケーブル選定の目安を全負荷電流×1.5としているため、

22.3A × 1.5 = 33.45A

となります。
※早見表では四捨五入し、33.5Aと記載しています。

STEP③:CVケーブルを選定する

CV-4Cの許容電流は、

3.5sq:33A
5.5sq:44A

なので、3.5sqでは今回の基準をわずかに満たしません。

したがって、

5.5kW → CV-4C 5.5sq

が目安となります。

※CVケーブルの許容電流の早見表、CVTケーブルとの違いを知りたい方は、ぜひこちらをご覧ください↓

STEP④:ブレーカを選定する

結論としては、選定したモータメーカーの技術資料を参考にするのが一番良いです。

5.5kWモータのブレーカ定格目安は50Aです。
参考:三菱電機「三相モータ・ギヤードモータ<技術資料> L01042」

選定手順については以下の記事で紹介していますので、ぜひご参照ください↓

全負荷電流を単純計算で算出しないこと

三相交流では、P=√3×V×I×cosφ という式を使いますよね。

そこで、単純に「5.5kWなら、5,500 ÷(√3×200)で電流を出せるのでは?」と思うかもしれません。

実際に計算すると、約15.9A です。

しかし、今回参考にしている5.5kWモータの全負荷電流は、

22.3Aです。

かなり差がありますよね。それはなぜか・・・

モータ容量のkWは電気入力そのものではない

モータに表示されている出力kWは、基本的にモータ軸から取り出せる機械出力です。

実際の電気入力では、効率η力率cosφの両方を考える必要があります。

そのため、概念的には、I=P ÷(√3×V×η×cosφ)として考える必要があります。

単純計算で力率・効率を両方1として計算してしまうと、実際より電流を小さく見積もる可能性があるので注意してください。

単純計算と全負荷電流を比較

ここで、簡単に単純計算とメーカー資料の全負荷電流値を比較してみましょう。

モータ容量力率・効率を1とした単純計算全負荷電流参考値
5.5kW約15.9A22.3A
7.5kW約21.7A29.1A
11kW約31.8A41.6A

この差を見ると、

モータのkWだけから電源ケーブルを決めるのではなく、モータ銘板やメーカー資料の定格電流・全負荷電流を確認する

ことが重要だと分かります。


※モータそのものの種類や特徴については、こちらで解説しています↓

CV-4Cケーブルから逆引き|何kWのモータまで使える?

今度は逆に、

「CV-4C 5.5sqなら、何kWくらいまで使える?」

という方向から見てみましょう。

前表と同じ、許容電流 ÷ 1.5(安全率)という基準で逆算します。

CV-4C
サイズ
CV-4C
許容電流
1.5倍を確保できる全負荷電流(目安)今回のモータ表での
最大容量
2sq23A15.3A3.7kW
3.5sq33A22.0A3.7kW
5.5sq44A29.3A7.5kW
8sq54A36.0A7.5kW
14sq76A50.7A11kW
22sq100A66.7A15kW
38sq140A93.3A22kW
60sq190A126.7A30kW
100sq260A173.3A45kW
150sq340A226.7A55kW
4心CVケーブル 参考:過去記事「CVケーブルとCVTケーブルの違いを分かりやすく解説|許容電流早見表付き

※この表は、あくまで今回設定した条件での逆引きです。

ブレーカ容量は「全負荷電流×1.5」で選んでいない

今回、ケーブルについては全負荷電流×1.5 を選定の目安としています。

しかし、ブレーカ容量=全負荷電流×1.5 としているわけではありません。

例えば5.5kWの場合、
22.3A×1.5 = 33.5A(全負荷電流×安全率)に対して、
ブレーカ定格目安は「50A」です。

つまり、ケーブルの1.5倍という考え方と、モータ回路のブレーカ選定は別です。

理由は、
「モータには始動時に大きな電流が流れるため、ブレーカはモータ特性や保護機器との組み合わせを考えて選定する」からです。

つまり、短絡時はMCCBで保護。過負荷はサーマル(保護機器)でトリップ。
という役割分担をしています。

また、今回のブレーカ定格目安については、三菱電機のモータ技術資料を参考にしています。

※ブレーカの選定方法そのものについては、以下の記事で詳しくまとめています↓

MCCBとELBのどちらを使う?

両者の違いを簡単に言うと、

MCCB:過電流・短絡を保護する
ELB:漏電検出機能を持つ

となります。

実際の工場設備では、

漏電したときにどこまで停止させるか

という保護協調の考え方が重要です。適切なものを選定しましょう。


※MCCB・ELBの使い分けについてはこちらの記事で詳しく解説しています↓

既存記事では、単純な機能比較ではなく「漏電時にどこまで止めるか」という工場設備側の考え方まで扱っています。

配線距離が長い場合は電圧降下も確認する

今回の早見表は、「許容電流」のみを基準としてケーブルサイズを選んでいます。

配線距離が長くなる場合は、「電圧降下」を確認する必要があります。

例えば、許容電流だけなら5.5sqで問題なくても、配線距離が長いことで8sqや14sqへサイズアップする場合があります。


※電圧降下についての詳細は以下の記事をご参考ください↓

三相回路の電圧降下について、ケーブルサイズごとの比較まで行っています。

早見表だけ確認したい場合は、以下の記事もおすすめです!↓

インバータ駆動の場合はインバータメーカーの指定を優先する

今回の早見表は、モータ容量からケーブルやブレーカのおおよそのサイズを把握するためのものです。

インバータを使用する場合は、「この表だけで一次側ブレーカやケーブルを決定しない」 ようにしてください。

インバータは機種ごとに、

  • 入力定格電流
  • 推奨ブレーカ容量
  • 推奨電線サイズ

などが指定されています。

したがってインバータ駆動の場合は、

モータ容量だけではなく、採用するインバータのメーカー仕様を優先 しましょう。


インバータの選定についてはこちらをご覧ください↓

おさらい:三相200Vモータのケーブル選定はこの順番で考える

最後に、選定のステップをイラストでさっくり理解しておさらいしましょう。

まとめ

今回の早見表で重要な点は、「メーカー資料やモータ銘板から全負荷電流を確認する」ことです。

一般的な技術資料より、メーカーが正式に出している技術資料や仕様を優先すべきだと考えています。

また今回の記事では、ケーブル選定の目安として、全負荷電流×1.5(安全率)以上の許容電流を持つ最小のCV-4Cを選定しました。
ただし、この安全率1.5についても、技術資料によっては1.2倍~1.3倍で記載されている場合があります。

今回は早見表として余裕をみた数値で見積もっていますので、経済性を考慮し適切なケーブルを選定するようにしましょう。

設備設計や見積りで、「このモータならケーブルとブレーカはどのくらい?」とざっくり確認したいときに、この記事の早見表を活用してみてください。


本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。

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