この記事の対象になる方
- 新規の機器・ソフト導入を考えているシステム・生技・保全・エンジニア
- 運用フロー、トラブル対応フローの書き方がわからないエンジニア
- フローチャートの書き方を統一したい企業様
なぜ「設備異常対応フロー」は一発で分かる必要があるのか
設備異常は、現場にとって不意打ちです。
そして不意打ちのときに人間が最初に失うものは、冷静さではありません。
順番です。
「どこから確認する?」「誰に言う?」「止める?止めない?」
この順番が頭から吹き飛びます。
異常時は、判断力ではなく手順が会社を守る
手順と言うのはただ基準書につらつらと文章を書いたら終わり、ではないんです。
「誰が」「何を」「どうする」が設備復旧まで明確になっていることが大事です。
だからこそフローチャートは「非常口の案内板」であるべきです。

読めない非常口は、非常時にただの障壁になってしまいます。
フローチャートで一番効果が出るポイントは「列分け」
結論からいきます。
設備異常時フローを一発で分かる形にする最強テクニックはこれです。
列を分けて「人」と「設備」に分離して考える
こんな感じです↓

いわゆるスイムレーン(役割は列で分ける)を使う考え方です。
列がないフローチャートは、全員が同じレーンで走っている運動会みたいなものです。すぐ衝突します。
おすすめの列構成例は以下です。
設備異常は「人の作業」と「設備の状態」が同時に動きます。
この2つが混ざると急に読めなくなります。でも同じフローに記載したい!!
そんなあなたはこの記事を参考にしてください。
記号は増やしすぎない|増やすほど「読まれない」
フローチャートの記号は増やすほど、それっぽく見えます。
しかし、異常時にそれっぽさは不要です。
記号が増えるほど、現場は読まなくなる
最低限、これだけで十分です。

「ループ」「ドキュメント」「手作業」などたくさん盛り始めると、「フローは作った人しかわかりません」になります。
異常時に必要なのはアートではなく、ルートです。
よくある「読まれないフロー」の特徴
現場で読まれないフローは、だいたいこの3つに当てはまります。
- 字が多い
- 抽象語が多い
- 記号が多い
フローは読み物ではなく、迷子防止の道路標識
動作が必要な場合は「丁寧に具体化」する
設備異常対応で一番事故るのがここです。
フローに書いてある言葉が抽象的すぎて、人によって解釈が割れる。
その代表例がこれです。
ダメな例:警報停止する
いい例:操作盤で警報停止ボタンを押す

抽象度が高い言葉は、異常時に「それってどれ?」になります。
具体化のコツは「場所」と「操作」をセットにすることです。
- どこで(操作盤、タッチパネル、制御盤、HMI、装置盤スイッチ)
- 何をする(押す、回す、切る、解除する、復帰する、確認する)
フローチャートは文章力の勝負ではなく、誤解ゼロの勝負です。
列をまたぐ場合は「関係課へ連絡する」を明示する

異常時の現場はテレパシーが使えません。
列をまたぐなら「関係課へ連絡」を必ず書く
さらに強くするなら、連絡の粒度も決めます。
- 連絡手段(電話/チャット/コール/アンドン)
- 連絡先(当番/担当/グループ)
- 伝える情報(設備名、異常コード、発生時刻、状態、対応済み操作)
➡ 別のリストで「参照先」にしてもOK
ここまで書けると、よりグッド。
一発でわかる設備異常時フローチャートの型(テンプレはこれ)
全体像はこれだ!!

このフローではサブルーチンを使っています。それは「もともとある運用を参照してね。」という意味です。

たとえばこれ↑
異常や故障が復旧したあとの操作ってだいたい決まってるよね?という話です。
もちろん、全く決まってなければ新しくフローを作成してしまいましょう。
サブルーチン(読み出し)を使うのはなぜか
答えは簡単でして、他の運用フローでも使いまわしができるからです。
フローをたくさん作っていると途中で気づきます。
ここのフロー、前も作成したけどまた1から書かないといけないのか。。。。
と感じる日が来るはずなので、
日常的に行っている業務、当然決まっている運用に関してはサブルーチンという形にし、「そっちを参照してね」でいいんです。
まとめ
設備異常時フローは、緊急時の案内板です。
美しさより、迷わないことが正義です。
異常時に強い工場は、設備が強いのではなく、運用フローが強い
最後のキーポイントをまとめておきます。
- 一発で分かる形にするなら 人・設備で列分け
- 記号は増やさず、読む負荷を下げる
- 操作は抽象語を捨てて 場所+動作 で書く
- 部署をまたぐなら 関係課へ連絡する を必ず入れる
本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。


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