【図解あり】担当者の案が会社方針になる理由|日本企業で求められる動きとは

ビジネス
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この記事でわかること
  • 日本企業のボトムアップ経営で、経営目標が現場施策に落ちるまでの流れ
  • 担当者の提案が上位方針の原型になる理由
  • 担当者に求められる考え方、案の出し方、動き方

この記事の対象になる方

  • 日本企業で改善提案や立案を任される担当者
  • 上司からの指示に対し、「これも担当の役目なの?」と疑問がある方
  • 担当者として求められる動きが理解できない方

はじめに

どうもみなさん、末端生技エンジニアにこらです。

今日は担当として、ふとみなさんが抱くであろう「これって私が決めるものなの??」という疑問について、
筆者の独断と偏見でJTCに属する上での考え方を共有したいと思います。

日本企業では、経営層が大きな方向性を示し、具体策は現場から積み上げていく形がよく見られます。
いわゆるボトムアップ経営です。

この仕組みを知らないと、先ほどと同じ疑問を抱くでしょう。
担当者が出した案が課の方針になり、部の重点施策になり、やがて会社の方針の一部として扱われることも珍しくありません。
何度もいいますが、ここで生じる疑問、、、、、、

それって私が決める物なの?それでいいの?

だからこそ、日本企業の担当者には単なる作業遂行ではなく、上位方針の原型をつくる意識が求められます。

この記事では、経営目標決定後に担当者がどのように動くべきか、

どんな提案が求められるのかを、流れに沿って分かりやすく整理します。

日本企業のボトムアップ経営とは何か

ボトムアップ経営とは、経営層が大きな目標や方向性を示し、その実現方法は現場や各部門から具体化していく進め方です。

たとえば経営層は、次のような表現で目標を示します。

  • 生産性を〇〇%向上する
  • 品質不良を〇〇%削減する
  • 原価を〇〇%低減する
  • 自動化で〇〇%省人する
  • リードタイムを〇〇%短縮する

これらは方向としては正しいですが、そのままでは現場は動けません。
設備を何台更新するのか、どの工程をどこまで自動化するのか、どのロスを優先的に潰すのかまでは書かれていないからです。

そこで必要になるのが、担当者による具体案です。

経営目標は抽象的。担当者の役割は、それを現場で動く言葉に翻訳することです。

経営目標決定後、上位へ具体案提示するまでのサイクル【図解】

典型的な日本企業では、次のようなピラミッドサイクルで物事が進みます。

上図の意思決定のサイクルが基本的な流れです。

この流れの中で大切なのは、最初の具体案を作る人が担当者であることが多いという点です。

上司は方向修正や優先順位付けはできますが、現場の細かなロスや運用上の詰まり、実現性の高い改善案までは、担当者ほど具体的に把握していない場合が多くあります。

つまり、出発点の質がそのまま上位方針の質に直結するのです。

なぜ担当者の案がそのまま上位方針にまで立ち昇るのか

ここを理解すると、担当者としての動き方が変わります。

日本企業では、多くの場合、上位者はすべてをゼロから考えていません。
現場で使える案、実行可能な案、数字で説明できる案を集め、それを整理しながら上位方針に仕上げていきます。

あなたの中で生じる疑問は下の図を見てください。
上長になればなるほど、全体を見て判断しないといけません。
担当視点から見た質問は「自分にだけ来ている質問」というように「とらえがち」ですが、実際には全員に同じ質問がきていると理解してください。

そのため、担当者が出した案はただの下書きではありません。
むしろ、会社の方針の素になることがあります。

たとえば担当者が、

  • 検査工程の自動化案
  • 設備停止ロス削減の優先順位案
  • 自動化での省人化案

を出したとします。

これらは最初は小さな改善提案に見えても、上位で整理されると、

  • 今期の重点改善テーマ
  • 部門のKPI
  • 設備投資計画
  • 横展開施策

として扱われることがあります。

担当者の案は単なるメモではありません。会社方針の原型になる可能性があります。

日本企業では、担当者が抱えがちな誤解があります。
それは、課題を報告すれば仕事をしたことになる、という感覚です。

しかし実際に求められるのは、課題報告ではなく提案です。

悪い例

  • 作業負荷が高いです
  • 品質トラブルが多いです
  • 現場が困っています

良い例

  • 作業負荷が高い原因は二重入力であり、帳票統一で入力工数を月15時間削減可能

ここが特に重要です。

担当者が作る案は、課内のメモで終わるとは限りません。
上司がそのまま会議資料に使うこともありますし、部の重点施策に組み込まれることもあります。

もう一度、図解を見てみましょう↓

だから担当者は最初から、次の観点で案を作るべきです。

  • 他部署にも説明できるか
  • 誰が見ても意味が通るか
  • 費用対効果があるか
  • KPIにできるか
  • 横展開できるか
  • 実行責任の所在が明確か

この視点がない案は、現場では良さそうでも上位に上がるほど効果が低いとみなされてしまいます。

日本企業では現場の声を最も重要視します。管理職に行くほど、現場の声が届きにくくなり、意思決定する要素が不足になりがちです。
そのため担当者が伝達係となり、現場を改善するための素案を作り上位方針へ上げることが求められるのです。

担当者が意識したい実務上の動き

日本企業で担当者として成果を出したいなら、次の3つの動きを意識することが非常に有効です。

1. 部目標を現場言語に落とし込む

担当者にまず求められるのは、部目標を自分の現場で使える言葉に変えることです。

たとえば部目標が生産性向上だったとします。
この言葉だけを見て、頑張ろうで終わってしまうと何も変わりません。
担当者はここからさらに分解する必要があります。

現場言語に落とし込むとは、たとえば次のようなことです。

  • 停止ロスを〇〇%減らす
  • 段取り時間を○○s短くする
  • 手待ち時間をなくす
  • 検査時間を〇〇s短縮する
  • 帳票入力をなくす

つまり、部目標をそのまま受け取るのではなく、自分の現場では何を変えればその目標に近づくのかまで落とすことが必要です。
評価される担当者は、目標を聞いた瞬間に、現場でどのロスを見るべきか、どの工程に効くのか、どの作業がボトルネックかを考え始めます。
一方で、評価されにくい担当者は、目標をただの合言葉として受け取ってしまいます。

部目標はそのままでは動けません。
担当者の役割は、それを現場で動く行動レベルまで翻訳することです。

2. 課題を発見し改善の案出しをする

次に求められるのは、課題を見つけ、改善の案まで出すことです。

ここでありがちな勘違いがあります。
それは、問題を報告すれば仕事をしたことになる、という考え方です。

もちろん現状把握は大切です。
しかし、担当者に本当に期待されているのは、現象を並べることではなく、次の一歩を作ることです。

たとえば悪い報告はこうです。

  • この工程は時間がかかっています
  • この設備はよく止まります
  • この作業はやりにくいです

これでは現場の困りごとは伝わっても、上司は動きにくいです。
なぜなら、何をどう変えるべきかが見えていないからです。

一方で、改善の案出しができている担当者はこう整理します。

  • 時間がかかる原因は二重入力なので、帳票統合で入力工数を削減する
  • 設備停止の主因はセンサ汚れなので、清掃構造変更と点検頻度見直しを行う
  • 作業しにくさの原因は動線の往復なので、部品配置変更で歩行距離を短縮する

この違いは大きいです。
前者は困りごとの共有、後者は改善提案です。
上位が欲しいのは後者です。

担当者に求められるのは、課題報告ではなく改善案出しです。

3. 根拠と効果を数字で表す

最後に、そして非常に重要なのが、根拠と効果を数字で表すことです。

日本企業では、良さそうという感覚だけでは案が通りません。
特に上位に上がるほど、なぜやるのか、どれくらい効くのか、投資に見合うのかが問われます。

ここで担当者が数字を持っているかどうかで、提案の強さが大きく変わります。

たとえば次の2つを比べると差は明らかです。

改善前の説明

  • この作業はかなりムダが多いです

改善後の説明

  • この作業は1日あたり30分の二重入力が発生しており、月換算で約10時間のロスです。帳票統合により入力時間を半減できれば、月5時間削減が見込めます

後者は、上司がそのまま説明に使えます。
数字があることで、課題の重さも、改善後の姿も、はっきり見えるからです。

良い案を通すには、感覚ではなく数字が必要です。

たとえば設備停止の改善なら、

  • 月8回停止
  • 1回あたり復旧10分
  • 月80分停止
  • うち60分は同一原因
  • 対策費3万円
  • 停止半減なら月40分改善

というように表せます。

これができると、提案は一気に通りやすくなります。
なぜなら、上位者は数字を見て優先順位をつけられるからです。

また、数字で表すことにはもう一つ重要な意味があります。
それは、改善後の振り返りができることです。

数字がなければ、やってよかった気がする、で終わります。
数字があれば、どれだけ効いたのか、想定との差は何か、次に何を変えるべきかまで見えます。

つまり数字は、提案を通すためだけではなく、改善を育てるためにも必要なのです。

この3つが揃うと担当者の提案は強くなる

ここまでの3つをつなげると、担当者に求められる動きはとてもシンプルです。

まず、部目標を現場言語に落とし込む。
次に、現場の課題を見つけて改善案を出す。
最後に、その案の根拠と効果を数字で表す。

この流れができる担当者は、単に仕事をこなす人ではなく、組織を前に進める人になります。

逆に、どれか一つ欠けると提案は弱くなります。

目標を現場に落とせなければ、案がずれます。
課題発見と案出しがなければ、報告止まりになります。
数字がなければ、上位は判断できません。

だからこそ、日本企業で担当者に求められることを絞るなら、この3つで十分なのです。

まとめ

担当者の求められることを一言でまとめるなら、こうなります。

上位目標が達成できる実現可能な具体案」を上位方針へ押し上げること。

何度も言いますが、日本企業で担当者に求められることは、たくさんあるように見えて、本質は次の3つに集約できます。

  • 部目標を現場言語に落とし込む
  • 課題を発見し改善の案出しをする
  • 根拠と効果を数字で表す

この3つができる担当者は、上司から見ても動かしやすく、組織から見ても価値が高い存在です。
なぜなら、抽象的な目標を具体策に変え、さらに判断可能な形まで整えられるからです。

担当者の案は、ただの思いつきではありません。
それは課の方針になり、部の施策になり、ときには会社の動きの原型になります。

日本企業で評価される担当者とは、目標を翻訳し、課題を提案に変え、数字で語れる人です。

現場で頑張っているのに評価されにくいと感じる時は、能力が足りないのではなく、この3つが十分に伝わる形になっていないだけかもしれません。
担当者として一段上を目指すなら、まずはこの3つを意識して動くことが大切です。


本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。

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