この記事の対象になる方
- 生産技術、保全、製造、生産設備に関わる全ての方
- FA機器メーカーの動向をざっくり追いたい方
- 設備更新、省配線、デジタル化の流れを押さえたい方
はじめに
今回は、2026年4月27日から5月2日確認時点までを対象に、国内FAメーカー5社の動向をまとめていきたいと思います。
対象メーカーは、オムロン、KEYENCE、三菱電機、IAI、安川電機です。
なお、この記事では主に新商品、FA関連ニュース、製造現場に関係しそうな技術情報を中心に週次で紹介します。
FAメーカーのニュースは、単に新商品名を追うだけでは少しもったいないです。
そのため、筆者の独断と偏見を交えて、「こういうところに実導入できそう!」といった視点で展開したいと思います。

その製品や発表が、現場の省人化、保全性、立ち上げ工数、設備設計にどう関係するのか。
この視点で見ることで、実運用の可能性はグッと上がります。
それでは行ってみましょう!!

2026年5月第1週の5社動向をざっくり把握
IAI
2026年5月第1週の注目はIAIです。
IAIは2026年5月1日付で、「二次電池製造工程対応製品」としてエレシリンダー・ロボシリンダーを124機種一挙リリースしています。
URL:https://www.iai-robot.co.jp/product/new/index.html
また、IAIの製品仕様ページにも「二次電池製造工程対応製品」というカテゴリが追加されました。
オムロン
オムロンについては、公式の新商品ページ上では、前回取り上げた2026年4月新商品が中心でした。
2026年4月第4週の記事はこちら↓
三菱電機
三菱電機については、MELSEC、MELSERVO、FREQROLなどのソフトウェア更新やマニュアル更新が中心でした。
2026年4月27日〜5月1日の期間に、今回深掘りするほどの新商品ニュースは見当たりませんでした。
KEYENCE
2026年4月27日〜5月1日の期間に、今回深掘りするほどの新商品ニュースは見当たりませんでした。
安川電機
2026年4月27日〜5月1日の期間に、今回深掘りするほどの新商品ニュースは見当たりませんでした。
今回は、対象期間中に動きが目立った IAI を中心に、生産技術・保全視点で気になった点を取り上げます。
IAI|二次電池製造工程対応製品が登場
IAIは2026年5月1日付で、二次電池製造工程対応製品を新製品として案内しています。
製品内訳は以下となっています。
エレシリンダー:60機種
ロボシリンダ―:64機種
合計:124機種
二次電池というと、EV、蓄電池、産業機器用バッテリーなど、今後も需要が伸びていく分野です。
その製造工程では、単に「搬送できる」「位置決めできる」という要求項目を満たすだけではなく、製造環境に合った機器選定が重要になります。
二次電池製造工程対応製品とは
二次電池製造工程対応製品とは、その名前の通り、繰り返し充電して使用できる電池(二次電池)の製造工程で使用できる製品ということです。
また、電池製造工程に必要な低露点環境-80℃でも対応可能というだけでなく、IAI専用のグリースにて長寿命化も達成した製品群になっています。
通常の40℃以下の環境条件で設置する設備であれば、可搬質量、ストローク、速度、繰り返し位置決め精度、設置スペースなどのみを見て選定することが多いと思います。
しかし、電池製造工程のように厳しい製造環境を求められる工程では、それだけでは足りません。
- 粉塵のリスクはないか
- グリースや潤滑条件は問題ないか
- 低露点環境での使用に向いているか
- 保全時に工程へ悪影響を与えないか
こういった視点が重要になることが想像できます。
これは単なる「型式追加」というよりも、ロボシリンダやエレシリンダにおいても、二次電池製造工程へ適用できる製品の需要が高まっているという見方をすることが重要だと思います。
生産技術・保全目線で見る今回のポイント
今回のIAIの動きを見ると、現場目線で注目するポイントは3つあります。
ポイント①:エレシリンダも厳しい環境へ適用できる時代へ
これまでも当然、使用環境を見て機器を選定する必要はありました。
ただ、選定の際によくあるのが、「過去、同じ環境でそろえた設備条件でOK」という感覚でエアー機器を選定するということが多いのではないでしょうか。
しかし昨今では、製造工程にも省エネが求められる時代です。
エアシリンダに供給するエアーもコンプレッサーから各工程に送られています。
エアー機器は手軽な一方で、定期的なエアー漏れチェック、コンプレッサーの年次点検など、ランニングコストも発生します。
また、トラブル時に異常個所が分かりにくいと言った点も保全性の課題としてよく挙げられます。
しかし工程を作る際、初めから全てエレシリンダにしてしまえば、エアー機器の検討が不要になる=コンプレッサーが不要になるといった場合もありえるでしょう。
今回のラインナップでは二次電池に適用した商品となっており、エレシリンダが使える製造環境が広範囲になったと感じます。
ぜひ皆さんの工程でも、使用を検討してみてはいかがでしょうか。
ポイント② 標準化しやすい製品群はユーザー側にもありがたい
2つ目は、専用工程向けの製品群があると、ユーザー側も標準化しやすいということです。
工場では、同じような工程でも、設備ごとに採用部品がバラバラになることがあります。
- 装置メーカーが違う
- 設備導入時期が違う
- 担当者が違う
- 過去の流用設計が残っている
こうなると、保全部品管理も、トラブル対応も、教育も難しくなります。
しかし二次電池製造工程向けに使いやすい製品群が統一メーカーで整理されていれば、ユーザー側としても、
といった標準化がしやすくなります。
これは、生産技術だけでなく保全にもかなりメリットのある内容だと思います。
ポイント③ 電動化は位置決めだけではない
3つ目は、電動化の価値は位置決めだけではないということです。
エアシリンダからエレシリンダへ置き換えるとき、よく言われるメリットは位置決めや省エネです。
それに加えて、
- デジタル化されたデータ活用による保全性、品質管理の向上
といった観点で大きくメリットがあります。
単に「エアを電動に置き換える」というよりも、「工程の品質管理レベルに合わせ、動かし方や管理方法を電動化することで最適化する」
こう考えると、エレシリンダの導入も前向きに検討できそうです。
まとめ
2026年5月第1週の国内FAメーカー動向では、IAIの二次電池製造工程対応製品が特に気になる内容でした。
FA機器の選定は、型式や可搬質量だけで決まるものではありません。
どの工程で、どの環境で、どのようなリスクを避けたいのか。
ここまで考えることで、設備トラブルを減らす選定につながると思います。
今後も国内FAメーカーの最新動向を追いながら、単なるニュース紹介ではなく、現場目線で「どう使えそうか」「どこに注意すべきか」を整理していきたいと思います。
当サイトでは、国内FAメーカーの最新動向を毎週まとめています。
新商品やFA関連ニュースを、生産技術・保全・製造現場の目線で分かりやすく整理しています。
FA機器の情報収集に、ぜひブックマークしてお役立てください。
本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。




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