この記事の対象になる方
- KIVの2sqや5.5sqに何A流せるか知りたい方
- 制御盤内の電線サイズを選定する方
- IV・HIV・KIV・HKIV の許容電流を比較したい方
はじめに
みなさん、こんにちは!
末端エンジニアのにこらです。
制御盤内の電線を選定するとき、最初に確認する項目のひとつが許容電流です。
「KIVの2sqには何A流せるの?」
「KIVとHKIVでは許容電流がどのくらい違う?」
「30AのブレーカならKIVの2sqを選んでもよい?」
このように迷うことがあるのではないでしょうか。
許容電流とは、電線の温度が許容範囲を超えないように、連続して流せる電流の目安です。
ただし、実際に流せる電流は電線サイズだけで決まるものではありません。
周囲温度、配線方法、電線をまとめる本数などによっても変わるのでご注意ください。

この記事では、IV・HIV・KIV・HKIV の許容電流をサイズ別に比較し、早見表を見るときの注意点を解説します。
それでは、いってみよー!
IV・HIV・KIV・HKIV 許容電流一覧(周囲温度30℃)※早見表
まずは結論から。早見表はこちらです↓
| サイズ | IV(単線) | IV(より線) | HIV(単線) | HIV(より線) | KIV(より線) | HKIV (より線) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0.5 sq | - | - | - | - | 9.5 A | - |
| 0.75 sq | - | - | - | - | 12 A | 17 A |
| 0.9 sq | - | (17 A) | - | 21 A | - | - |
| 1.0 mm(単線) | (16 A) | - | - | - | - | - |
| 1.2 mm(単線) | (19 A) | - | 23 A | - | - | - |
| 1.25 sq | - | (19 A) | - | 23 A | 16 A | 23 A |
| 1.6 mm(単線) | 27 A | - | 33 A | - | - | - |
| 2.0 mm(単線) | 35 A | - | 43 A | - | - | - |
| 2.0 sq | - | 27 A | - | 33 A | 22 A | 33A |
| 2.6 mm(単線) | 48 A | - | 59 A | - | - | - |
| 3.2 mm(単線) | 62 A | - | 76 A | - | - | - |
| 3.5 sq | - | 37 A | - | 45 A | 33 A | 45 A |
| 5.5 sq | - | 49 A | - | 60 A | 45 A | 60 A |
| 8 sq | - | 61 A | - | 74 A | 57 A | 75 A |
| 14 sq | - | 88 A | - | 107 A | 83 A | - |
| 22 sq | - | 115 A | - | 140 A | 115 A | - |
| 38 sq | - | 162 A | - | 198 A | 162 A | - |
| 60 sq | - | 217 A | - | 265 A | 217 A | - |
| 100 sq | - | 298 A | - | 364 A | 298 A | - |
| 150 sq | - | 395 A | - | 482 A | 395 A | - |
| 200 sq | - | 469 A | - | 572 A | 469 A | - |
| 250 sq | - | 556 A | - | 678 A | 556 A | - |
| 325 sq | - | 650 A | - | 793 A | 650 A | - |
※HKIV参考:株式会社KHD
早見表を使用するときは、次の点に注意してください。
- 単線は、1.6mmや2.0mmなどの導体径で表記
- より線は、2sqや5.5sqなどの公称断面積で表記
- 「-」は、該当するサイズが表にないことを示す
- カッコ内の数値は、一般的な配線用として認められていないサイズの参考値
- メーカーや製品仕様によって許容電流が異なる場合がある
- 最終的には必ずメーカー仕様で確認し、購入しましょう ※表下部にリンク有
実際に電線を選定するときは、この早見表だけで確定せず、採用するメーカーの最新仕様書を確認してください。
KIVとHKIVの許容電流が違う理由
KIVとHKIVは、どちらも細い素線を多数より合わせた柔らかい電線です。
主な違いは、絶縁体の耐熱性能となります。
KIVの導体最高許容温度は60℃、HKIVは75℃が代表例です。
また、HKIVは耐熱ビニルを使用しているため、KIVより温度上昇に余裕があり、同じサイズでも許容電流を大きく取れます。
同様に、IVの耐熱タイプがHIVです。
| 通常タイプ | 耐熱タイプ | 主な違い |
|---|---|---|
| IV | HIV | 耐熱温度と許容電流 |
| KIV | HKIV | 耐熱温度と許容電流 |
許容電流表だけで電線サイズを決めてはいけない
電線サイズを選ぶときは、許容電流だけでなく、次の条件も確認します。
周囲温度
許容電流表は、周囲温度30℃を基準としているものが一般的です。
しかし、制御盤内はスイッチング電源、インバータ、サーボアンプなどの発熱によって、周囲温度が30℃を超えることがあります。
温度が高くなるほど流せる電流は小さくなるため、メーカーが示す温度補正係数を使用します。
例えば、HKIVのメーカー資料では、周囲温度30℃を基準の1.00とし、40℃では0.88、50℃では0.75などの補正係数が示されています。
周囲温度によって、選定するメーカー仕様を確認するようにしましょう。
電線をまとめる本数
配線ダクトや電線管内に多くの電線をまとめると、電線から発生した熱が逃げにくくなります。
そのため当然ではありますが、空中に1本だけ配線した場合と、同じ許容電流で考えることはできません。
電線をまとめて配線するときは、多条布設に対する電流減少係数も確認しましょう。
電圧降下
許容電流の条件を満たしていても、配線距離が長いと電圧降下が大きくなる場合があります。
特に、DC24V回路や大きな電流が流れる回路では、負荷端で必要な電圧を確保できるか確認する必要があります。
電圧降下の計算方法については、こちらの記事で紹介しています↓
接続機器の端子仕様
ブレーカ、端子台、電源、PLCなどには、接続できる電線サイズや導体種類が指定されています。
許容電流上は問題がなくても、機器側の適合電線サイズを外れていれば、適切に接続できません。
KIVを使用する場合は、圧着端子やフェルール端子などの端末処理も確認してください。
●代表的な圧着端子や組み合わせは、こちらの記事をご覧ください↓
●圧着端子ごとに適した端子台の選定は、こちらの記事をご覧ください↓
まとめ
今回の記事では、IV・HIV・KIV・HKIVの許容電流をサイズ別に比較できるよう、早見表にまとめました。
HIV、HKIVは耐熱温度が高いため、同じサイズのIV、KIVより許容電流を大きく取れる傾向があります。
ただし、早見表の数値は特定の条件における目安です。
今回は、周囲温度30℃を例にしています。
電線サイズを選ぶときは、負荷電流やブレーカ容量だけでなく、周囲温度、配線本数、電圧降下、接続機器の仕様まで確認するようにしましょう!
IV・KIV・HIV・HKIVの構造や柔らかさ、制御盤内での使い分けについては、以下の記事で詳しく解説しています↓
本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。






この記事へのコメント