この記事の対象になる方
- 設備更新、省配線、デジタル化の流れを押さえたい方
- 生産技術、保全、製造、生産設備に関わる全ての方
- FA機器メーカーの動向をざっくり追いたい方
はじめに
今回は、2026年5月10日から5月16日確認時点までを対象に、国内FAメーカー5社の動向をまとめていきたいと思います。
対象メーカーは、オムロン、KEYENCE、三菱電機、IAI、安川電機です。
なお、この記事では主に新商品、FA関連ニュース、製造現場に関係しそうな技術情報を中心に週次で紹介します。
FAメーカーのニュースは、単に新商品名を追うだけでは少しもったいないです。
そのため、筆者の独断と偏見を交えて、「こういうところに実導入できそう!」といった視点で展開したいと思います。

その製品や発表が、現場の省人化、保全性、立ち上げ工数、設備設計にどう関係するのか。
この視点で見ることで、実運用の可能性はグッと上がります。
それでは行ってみましょう!!

2026年5月第3週の国内FAメーカー動向をざっくり把握
オムロン
今回深掘りするほどの新商品ニュースは見当たりませんでした。
KEYENCE
今回深掘りするほどの新商品ニュースは見当たりませんでした。
三菱電機
今回深掘りするほどの新商品ニュースは見当たりませんでした。
IAI
「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN 2026 出展のお知らせ」が掲載されています。
気になる方はこちらへどうぞ → https://www.iai-robot.co.jp/company/exhibition/index.html
今回深掘りするほどの新商品ニュースは見当たりませんでした。
安川電機
安川電機は2026年5月11日、可搬質量35kg、最大リーチ2030mmの人協働ロボット「MOTOMAN-HC35」の販売開始を発表しました。
従来のMOTOMAN-HC20DTPに対して、可搬質量とリーチを拡大し、設置性や使いやすさを向上させた機種として紹介されています。
※公式:https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/product/1565771
今週の注目:安川電機「MOTOMAN-HC35」をリリース
今回の注目は安川電機です!
人協同ロボット、みなさん現場で見たことありますでしょうか。
その名の通りですが、作業員と共に生産現場で動くロボットになります。
イメージは皆さんの真横でロボットが自動で動いている構図です!
今回の人協働ロボットのリリースについて、現場目線での気になるポイントを深堀していきたいと思います!
可搬質量35kg、最大リーチ2030mmの人協働ロボット
MOTOMAN-HC35の大きな特徴は、可搬質量35kg、最大リーチ2030mmという仕様です。
従来機であるHC20DTPは、可搬質量20kg、リーチ1900mmとされています。
MOTOMAN-HC35では、可搬質量とリーチが拡大され、さらに手首部のモーメントも大きくすることで、適用範囲を広げる設計になっています。
この適用範囲のアップは製造メーカー目線で見て、かなり大きなニュースとなります。
人協働ロボットというと、どうしても
- 軽い部品を持つ
- 人の横で補助作業をする
- 小物ワークを搬送する
というイメージを持ちやすいです。
「軽い部品を持つ」これに対して、どのくらいの質量を皆さん想像しますか。
これは一般的に、20kg~25kgぐらいを目途に、工場などでは基準が決められています。
つまり、20kg~25kgまでを人の手で持っていいよ、という基準にしているということです。
なぜなら、それ以上の質量のものを運搬すると、事故やケガの恐れが大きくなるからです。
よって、20kg~25kgを超えるものについては、運搬は台車、持ち上げる際はホイスト・フォークリフトを使用する、ということがルール化されていたりします。
その結果、
「少々重い20kg程度の物であるが、完全な安全柵付きロボットセルにするほどでもない」
という中間領域が存在するのが事実です。
この中間領域に対して、可搬質量35kgクラスの人協働ロボットが入ってくることは、作業者の負担軽減としてかなり期待できます。
人協働ロボットは、「人の代わりに全部やるロボット」というより、
「人がやるにはきつい作業を、現場に近い形で肩代わりするロボット」と捉えましょう。
パレタイジング用途への広がり
MOTOMAN-HC35の具体例として、パレタイジング作業でより重量のあるワーク搬送や複数取り、高い積付け作業が可能になることが紹介されています。
パレタイジングは、製造業でもかなり自動化ニーズが高い工程です。
理由はシンプルで、人がやるとかなりきついからです。
- 重い
- 繰り返し作業
- 腰にくる
- 人手不足の影響を受けやすい
- 作業者によって積み方にばらつきが出る
- パレットの端まで綺麗に乗せるのにリーチが必要
ここに可搬質量35kgの人協働ロボットが入ると、完全な大型ロボットセルほど大掛かりにしなくても、省人化を検討しやすくなりますよね。
ラインの設計を見直せば自動化は実現できるものの、大きな設備投資をしてまで自動化する投資対効果は得られないという工程は多く存在しています。
そこに検討材料として、今回の協働ロボットが加わるということは大きなポイントです。
生産技術・保全目線で見る今回のポイント
ポイント1:人協働ロボットの適用範囲が重作業側へ広がっている
今回のMOTOMAN-HC35は、可搬質量35kgという点が大きなポイントです。
これまで人協働ロボットは、比較的軽いワークや補助作業のイメージが強かったですが、今後は重いワーク、パレタイジング、組立支援のような領域にも広がっていく流れが見えます。
とくに、35kgまで適用範囲が広がったことで、多くの製造現場で導入が期待されるでしょう。
人手不足が進む中で、
- 人がやるにはきつい
- でも大型ロボットセルにするほどではない
- 既設ラインに後付けしたい
という工程は、今後さらにロボット化の候補になりそうです。
ポイント2:安全性だけでなく、生産性とのバランスが重要
人協働ロボットは、安全性が大前提です。
ただし、現場に導入する以上、生産性も無視できません。
安全のために速度を落としすぎると、結局、人がやったほうが早いという話になってしまいます。
今回のHC35では、新型トルクセンサによる衝突時の応答性向上や、ハンドガイド操作のしやすさが紹介されています。
つまり、単に重いものを持てるだけではなく、現場で使いやすく、安全性と生産性を両立させる方向に進んでいるということです。
ポイント3:既設ラインへの後付け自動化で使いやすい
省スペース性、スリムなアーム、アプリケーション用ケーブル内蔵といった特徴は、既設ラインへの後付け自動化とかなり相性が良いです。
新規ラインなら、最初からロボット前提でレイアウトを組めます。
しかし、現実には既設ラインに後からロボットを入れたいケースが多いですよね。
その場合に、次の検討が必要になります。
- 設置スペース
- 周辺設備との干渉
- 配線ルート
- 作業者動線
- メンテナンススペース 等々
HC35のように、設置性や配線性に配慮されたロボットは、こうした既設ライン改善をポン置きで実施できる選択肢として候補に入ってきます。
まとめ
今回は、2026年5月10日〜5月16日週の国内5社FAメーカー動向を整理しました。
今週の注目は、安川電機の人協働ロボット「MOTOMAN-HC35」です。
可搬質量35kg、最大リーチ2030mmという仕様により、従来よりも重いワークや広い動作範囲に対応しやすくなっています。
今回のポイントは、単に新しいロボットが出たという話ではありません。
人協働ロボットの適用範囲が、より重作業側へ広がってきているという点です。
人手不足、作業者負担、品質ばらつき、省人化。
こうした課題は、どの製造現場でも避けて通れないテーマです。
今後も国内FAメーカーの最新動向を追いながら、単なるニュース紹介ではなく、現場目線で「どう使えそうか」「どこに注意すべきか」を整理していきたいと思います。
当サイトでは、国内FAメーカーの最新動向を毎週まとめています。
新商品やFA関連ニュースを、生産技術・保全・製造現場の目線で分かりやすく整理しています。
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本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。


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