この記事の対象になる方
- 設備更新、省配線、デジタル化の流れを押さえたい方
- 生産技術、保全、製造、生産設備に関わる全ての方
- FA機器メーカーの動向をざっくり追いたい方
はじめに
今回は、2026年6月1日から6月21日確認時点までを対象に、国内FAメーカー5社の動向をまとめていきたいと思います。
対象メーカーは、オムロン、KEYENCE、三菱電機、IAI、安川電機です。
なお、この記事では主に新商品、FA関連ニュース、製造現場に関係しそうな技術情報を中心に紹介します。
FAメーカーのニュースは、単に新商品名を追うだけでは少しもったいないです。
そのため、筆者の独断と偏見を交えて、「こういうところに実導入できそう!」といった視点で展開したいと思います。

その製品や発表が、現場の省人化、保全性、立ち上げ工数、設備設計にどう関係するのか。
この視点で見ることで、実運用の可能性はグッと上がります。
それでは行ってみましょう!!

2026年6月1日〜6月21日の国内FAメーカー動向をざっくり把握
ここでは、各社の気になったニュースをまとめていきます。
オムロン
2026年6月11日に、オムロンベンチャーズ株式会社が株式会社Smart Craftとの出資契約締結を発表しています。
オムロンベンチャーズ株式会社 とは?
オムロンとスタートアップ企業が連携し、イノベーションを起こす未来を実現するため、投資活動を行う企業です。
オムロンが掲げる中期ロードマップ「SF 2nd Stage」の実現を目標としています。
※参考:オムロンベンチャーズ株式会社
株式会社Smart Craft とは?
株式会社Smart Craftは、製造現場の計画から実績までを一元管理するクラウド製造実行システム、いわゆるMES系のサービスを展開している企業です。
同サービスでは、クラウドに収集した設備データをモニタリングでき、AIを使ってさまざまなデータを分析できるサービスです。
他のMESと比べ、製造業がいま直面している省人化やデータ活用の課題を解決しやすく、さらにデータ分析も行うことができる先進性のあるシステムとなっています。
※参考:株式会社Smart Craft
今回の内容は、製造現場DX・データ活用につながるニュースです。
現場では、設備単体の自動化に目が行きがちですが、製造実績、進捗、作業記録、データ活用まで含めてデジタル化していくことが、中長期的にみて最も投資対効果が高いと感じています。
OMRONとSmart Craftは、センシング×MESシステムという、とても相性の良いタッグです。
今後も2社の動向には注力していきたいですね。
KEYENCE
2026年6月2日に、「KV-X」シリーズに産業用ロボットとすぐつながる「Robot Library」が登場しました。
※参考:KEYENCE KV-Xシリーズ
KEYENCEのKV-Xに、新たな機種が登場しました。
他社ロボットとも接続しやすく、ロボット連携を意識したPLCとして展開されています。
近年、FA界隈の技術職ではこのような会話がよくありました。
「ビジョンの強いメーカーとロボットメーカーが組めば、もっと自動化できそうなのに…。」
これを数年前から意識し、徐々に対応範囲を広げてきているのがKEYENCEだと思っています。
(さすがユーザーの声が届きやすい企業です。)
KEYENCEのPLCの良さと言えば、どんな通信にも対応できる柔軟さとUIの分かりやすさです。
さらにロボットにも繋がりやすいとなると、KEYENCEへ置き換える企業が増えていきそうです。
三菱電機
2026年6月16日、関東電気保安協会と受配電設備向けスマート保安・デジタルO&Mの実証を開始しました。
※参考:三菱電機 ニュースリリース
三菱電機は、関東電気保安協会と共同で、受配電設備向けの「スマート保安・デジタルO&Mサービスの実証」を7月15日から開始すると発表しています。
内容としては大きく2つあります。
- 受配電設備にセンサや計測器を設置し、設備環境や機器状態のデータをクラウドに集約。三菱電機のデジタル基盤「Serendie」を活用して分析することで、設備の設置環境と劣化速度の関係や、早期異常兆候検知の可能性を検証する。
- AIエージェントによる設備データのリアルタイム解析により、不具合発生時の対処法検討や指示作業の省人化、作業品質の平準化も目指しています。
つまり、「配電盤機器の設計ノウハウ×受配電設備の保安ノウハウ」を掛け合わせて、受配電設備の保全業務をデータとAIで支援する狙いと伺えます。
これは、近年の人手不足や技術者不足の解決に大きく貢献できる活動として期待できそうです。
IAI
今回深掘りするほどの新商品ニュースは見当たりませんでした。
安川電機
安川電機は、2026年6月1日に衛生環境用ロボット「MOTOMAN-HD7、HD8」の販売開始が発表されています。
参考:安川電機 MOTOMAN-HD7,HD8
HD7は可搬質量7kg、最大リーチ927mm、HD8は可搬質量8kg、最大リーチ727mmで、ライフサイエンス市場や医薬品市場向けに、クリーンルーム対応や清掃性を向上させたロボットとして紹介されています。
さらに、2026年6月10日には大型ワーク搬送用ロボット「MOTOMAN-GP215L、GP400L、GP700」の販売開始が発表されています。
参考:安川電機 MOTOMAN-GP215L、GP400L、GP700
可搬質量はそれぞれ215kg、400kg、700kgで、大型・重量ワークの搬送自動化に向けた内容です。
近年の自動車業界では、部品点数の削減を目的に、複数の部品を一体化する動きが出ています。
個人的には、これはテスラが部品のモジュール化の先駆者的な存在として、世界へ情報発信してきたことから起きた変革だと思っています。
そのため、EV化とモジュール化が進むことで、バッテリーや部品など、従来よりも重いものが増えてきた(または増えてくる)というわけです。
今回のラインアップの拡充は、ユーザー側の自由度をさらに向上させること間違いないでしょう。
まとめ
今回は、2026年6月1日〜6月21日までの国内5社FAメーカー動向を整理しました。
今月前半から第3週までの注目は、安川電機の大型ワーク搬送用ロボット「MOTOMAN-GP215L、GP400L、GP700」です。
可搬質量215kg、400kg、700kgという大型ワーク向けのラインナップで、自動車、バッテリー、建設機械、建材、加工ジグなどの大型・重量ワーク搬送に向けた内容です。
今回のポイントは、
製造現場で進むワークの大型化・重量化に対して、
ロボット側も可搬質量、リーチ、手首負荷、レイアウト性を含めて対応範囲を広げているという点です。
また、オムロンではSmart Craftとの出資契約により、製造現場DXやMES領域とのつながりが見えました。
今後も国内FAメーカーの最新動向を追いながら、単なるニュース紹介ではなく、現場目線で「どう使えそうか」「どこに注意すべきか」を紹介していきたいと思います。
当サイトでは、国内FAメーカーの最新動向を毎週まとめています。
新商品やFA関連ニュースを、生産技術・保全・製造現場の目線で分かりやすく整理しています。
FA機器の情報収集に、ぜひブックマークしてお役立てください。
本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。



この記事へのコメント