この記事の対象になる方
- 電線管サイズの選び方で迷っている施工会社の方
- 工場や設備の電気配管を検討している生技・保全・電気担当者
- 「とりあえず入ればOK」で後から通線に苦労したくない方
はじめに
電線管を選ぶときに、やっぱり迷うのがサイズです。
PF管、CD管、C管、G管、E管など、電線管の種類はなんとなく分かっていても、
「16で足りるのか」
「22にした方がいいのか」
「28だと大きすぎるのか」
「ケーブルを何本まで入れていいのか」
このあたりで悩む方は多いですよね。
正直、現場では「昔からこのサイズだから」「いつも新規は22でやっているから」という決め方もあったりします。
ただし、電線管サイズを小さくしすぎると、後からかな~り困ります。
施工時の1本目は入るとしても、数年後に、
- ケーブルが入らない
- 通線が重い
- 曲がりで引っかかる
- 将来増設できない
- 撤去しようと無理に引っ張ってケーブルを傷める
こうなると、配管そのものは安く済んでも、将来的に工場が困ってしまいますよね。
結局引き直しやないかい!ってやつです。
ということで、
この記事では、電線管サイズの考え方を現場目線でざっくり解説していきます。

詳しい解説は別記事でリンクにする予定なので、なるべく初学者にも分かりやすく、考え方から学べる内容にしていきたいと思います!
※電線管の種類そのものを知りたい方は、先にこちらの記事がおすすめです↓
電線管サイズは「呼び径」だけで決めない
電線管サイズを見るとき、よく出てくるのが次のような呼び方です。
※電線管メーカーの仕様書には、「呼び」や「呼び径」と記載があります。
| 呼び ※厚鋼を例 | 現場での言い方 ※人よりけり |
|---|---|
| 16 | 16の配管、G菅の16、厚鋼の16、G16 等 |
| 22 | 22の配管、G菅の22、厚鋼の22、G22 等 |
| 28 | 28の配管、G菅の28、厚鋼の28、G28 等 |
| 36 | 36の配管、G菅の36、厚鋼の36、G36 等 |
| 42 | 42の配管、G菅の42、厚鋼の42、G42 等 |
| 54 | 54の配管、G菅の54、厚鋼の54、G54 等 |
上の表で注意したいのは、
「呼び」のサイズ(数字)は、配管の種類によって外径基準か内径基準かが違います。
電線管には、薄鋼電線管、厚鋼電線管、ねじなし電線管、PF管、CD管などがありますよね。
同じ「22」と呼んでいても、管の種類によって外径や内径が完全に同じとは限りません。
つまり、ざっくりしたサイズ感は呼び径で見てもよいですが、最終的にはメーカーの寸法表で内径を確認するのが安全です。
電線管サイズは「呼び」でざっくり考え、最終確認は「内径」と「ケーブル外径」で確認しよう!!
これが基本です。
電線管サイズはJISで規定されている
電線管は、JISで規定されています。
一例は以下のとおりです。
| 種類 | JIS上の規格 | 呼びの例 |
|---|---|---|
| 厚鋼電線管 | JIS C 8305 | G16、G22、G28、G36… |
| 薄鋼電線管 | JIS C 8305 | C19、C25、C31、C39… |
| ねじなし電線管 | JIS C 8305 | E19、E25、E31、E39… |
ざっくりサイズ感をつかもう
細かい計算の前に、現場でのサイズ感をざっくり整理すると次のようになります。
| 電線管サイズ | 向いている用途 | 目安 |
|---|---|---|
| 16サイズ前後 | 小容量配線、信号線、少本数配線 | 余裕は少なめ |
| 22サイズ前後 | 小型設備、制御配線、照明配線 | よく使うサイズ感 |
| 28サイズ前後 | 複数本の電源線、制御線まとめ | 通線性を確保しやすい |
| 36サイズ以上 | 幹線、小〜中容量設備配線 | 将来追加も考えやすい |
| 42サイズ以上 | 本数が多い配線、太いケーブル | 将来追加を前提に敷設 |
個人的には、迷ったらギリギリを狙いすぎないことが重要です。
電線管は、「入れば終わり~!」ではありません。
実際には、曲がり、距離、通線作業、将来の更新まで考える必要があります。
特に工場設備では、後からセンサを追加したり、ケーブルを引き替えたり、本数を増やしたりすることがあります。

最初にギリギリで作ってしまうと、あとで改造しにくくなったり、後任者が困ったりすることもあるので注意しましょう。
電線管サイズを決める基本手順
電線管サイズを決めるときは、次の流れで考えていきましょう!
| 手順 | 確認すること |
|---|---|
| STEP1 | 配管へ入れるケーブルの種類を確認する |
| STEP2 | ケーブル外径を確認する |
| STEP3 | ケーブル本数を確認する |
| STEP4 | 電線管の内径を確認する |
| STEP5 | 通線性を考慮し、占有率を確認する |
| STEP6 | 曲がりや将来増設も考えてサイズを決める |
ここで大事なのは、電線管だけを先に決めないことです。
先に「何のケーブルを、何本入れるのか」を決める。
そのうえで、占有率を考慮して電線管サイズを選ぶ。
この順番が大切です。
STEP別に見る電線管サイズ選定の注意点
ここでは、先ほどの手順に沿って、注意したいポイントを整理していきます。
STEP1:ケーブルの種類を確認する
ケーブルといっても、電源なのか、信号なのか、通信なのか、用途によって種類があります。
別記事で紹介していますので、ざっくり把握するようにしましょう!↓
STEP2:ケーブル外径を確認する
電線管サイズを考えるとき、必ず見るべきなのがケーブル外径です。
たとえば、同じ2sqでも、
- 2C
- 3C
- 4C
- シールド付き
- 制御ケーブル
- 電源ケーブル
などで外径が変わります。
「2sqだから細いでしょ」と思っていると、4Cやシールド付きで想像より太いことがあります。
外径は必ずケーブルメーカーへ確認するようにしましょう!
STEP3:ケーブル本数を確認する
選定時には、「その配管にケーブルを何本入線させるか」を確認しましょう。
特に重要なことは、納めるメーカーによっては電圧で配管を変えていたりします。
独断で引いてしまうと後々のトラブルにつながるため、事前に合意を取っておいた方が良いです。
配管に入線させる予定のケーブル本数は、納品先に合意を取るようにしましょう!
その際に、電圧の種類を伝えてあげると親切です。
STEP4:電線管の内径を確認する
電線管サイズを考えるとき、STEP2の「ケーブル外形を確認する」と同じくらい、「電線管の内径を確認する」ことが大切です。
内径の記載がない場合は、【内径(mm)=外径(mm)ー厚さ(mm)×2】でおおよその確認を取りましょう。
最終的には、電線管の内径は必ず電線管メーカーへ確認するようにしましょう!
STEP5:通線性を考慮し、占有率を確認する
ここでは、以下のポイントを覚えておきましょう。
電線管内は、基本「占有率32%」で考えるようにすること。
電線管にケーブルを入れるときは、管の中をケーブルでパンパンにしてよいわけではありません。
実務では、通線性や放熱、将来の引き替えを考えて、ある程度の余裕を持たせることが重要です。
占有率については、こちらの記事でCV 2sq×4Cを例に紹介しています↓
※工場設備では将来増設も考慮
工場設備では、最初に決めた配線だけで終わらないことが多いです。
あとから、
- センサを追加する
- 通信ケーブルを追加する
- 予備線を入れる
- 設備改造で配線を引き替える
- 制御盤を更新する
といったことが普通にあります。
そのため、初期設計の時点でギリギリにしすぎると、あとで困ります。
もちろん、なんでも大きくすればよいわけではありません。
大きすぎる配管は、施工スペース、支持、見た目、コストの問題が出ます。
ただ、工場の幹線や将来改造がありそうなルートでは、多少余裕を見ておく価値があります。
増設する可能性や余裕しろについては、納品先と合意を取っておきましょう。
※電源線と弱電線を同じ管に入れるときの注意
電線管サイズ以前に、電源線と弱電線を同じ管に入れてよいかも確認が必要です。
たとえば、
- 動力線
- インバータ出力線
- センサ線
- 通信線
- アナログ信号線
これらを何でも同じ管に入れてしまうと、ノイズの影響を受けることがあります。
特にアナログ信号や通信線は、動力線やインバータ出力線と分けた方が無難です。
配管サイズに余裕があるからといって、全部まとめて入れればよいわけではありません。
工場設備では、サイズ選定と同時に、配線ルートの分離も考えましょう。
※電源線・弱電線の分離や工場内の配線ルートの注意点については、こちらを参考ください↓
実際のサイズ選定イメージ
CV 2sq×4Cを電線管に入れる場合のサイズ選定例は、こちらの記事で紹介しています↓
よくある失敗例
失敗例1:呼び径だけで決める
「22なら入るでしょ」と呼び径だけで決めるパターンです。
電線管の種類によって内径も外径も変わります。
呼び径は、あくまで目安です。
最後は内径とケーブル外径で確認しましょう。
失敗例2:ケーブル本数だけで考える
「3本だから大丈夫」という考え方も危険です。
同じ3本でも、細い制御線3本と太いCVケーブル3本ではまったく違います。
本数だけでなく、外径をもとに占有率を考える必要があります。
失敗例3:曲がりを考えていない
1本だけなら入るはずなのに、現場で通線できない!
この原因になりやすいのが曲がりです。
曲がりが多い場合は、計算上ギリギリのサイズを避けた方が無難です。
「占有率を考慮して選定しました」と、論理的な根拠を言えるようにしておくことが大切です。
失敗例4:将来増設を考えていない
設備は後から変わります。
センサ追加、通信追加、制御盤更新などで、あとから配線を追加したくなることがあります。
最初から余裕ゼロで作ると、後から本当に困ります。
とはいっても予算上の都合があると思うので、納品先へ確認することが重要です。
まとめ
電線管サイズを選ぶときは、呼び径だけで決めるのではなく、ケーブル外径・本数・電線管内径・占有率・通線性をセットで考えることが大切です。
「とりあえず入ればOK」ではなく、あとで困らないサイズを選ぶ。
これが、現場ではかなり大事だと思います。

「なんとな~くこれにしました」ではなく、選定の根拠を答えられるようにしておきましょう!
本記事は学習目的の情報提供です。実際の電気工事・設計・配線・機器選定・部材選定・改造は、法令・社内基準に従い、有資格者および責任者の管理下で実施してください。現場条件により最適解は変わるため、必ずメーカー仕様書・設計基準・安全規程・JISを確認のうえ判断してください。







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